新潟のサッカーが魅力的なワケ アルベルト監督が浸透させた状況判断と自負する機能美
【インタビューVol.1】アルベルト監督が浸透を目指すサッカーが2年目で機能した理由
J2のアルビレックス新潟は2021年シーズン、開幕から首位の座に座り続けている。好調のチームを率いるのは、2年目を迎えたアルベルト・プッチ・オルトネダ監督だ。クラブ史上初のスペイン人指揮官が掲げる哲学と、日本サッカーの親和性について、本人の言葉を基に紐解く。
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アルベルト監督と言えば、世界的名門バルセロナのスカウト、アカデミーコーチ、ダイレクターを務めた経歴を持ち、日本代表MF久保建英(ヘタフェ)やスペイン代表FWアンス・ファティ(バルセロナ)を発掘して“ラ・マシア”(下部組織)に入れたことで知られる。その後、ガボン、スペイン、アメリカ、アンゴラと渡り歩き、2020年から日本の地で自身初となるトップチームを指揮している。
新潟においては、ボールを保持しながら、試合を支配するスタイルを追求。4-2-3-1をベースに、攻撃も守備も敵陣内で行い、失ってもすぐに奪い返してチャンスを作るインテンシティーの高いサッカーを浸透させてきた。アルベルト監督は、「日本サッカーと私が期待するプレーは、とても良いフィーリングがあると以前から思っていました」と語る。
「これまで、様々な国の指導者が日本に来ていると聞いています。日本の特徴であるつなぐサッカーだけでなく、より直線的でダイレクトにゴールへ向かうイギリスのようなプレーも多く見受けられます。『日本サッカーに合うスタイルはどのようなものか』は魅力的な話題ですし、議論の余地があると思いますが、日本人選手の特徴を考慮すると、より技術を大切にした、例えば私が信じるプレースタイルはとても適しているのではないでしょうか。非常に相性が良く、良いつながりがあると考えています」
新潟での1年目は、最終的にJ2リーグ11位(14勝15分13敗、リーグ9位の55得点、同16位の55失点)でフィニッシュ。キャプテンのDF堀米悠斗、ゲームメーカーのMF高木善朗、生え抜きのMF本間至恩、守備の要を担うDF舞行龍ジェームズら今季と同じメンバーも在籍していたが、アルベルト監督のサッカーが浸透するまでに時間を要した。指揮官は「昨シーズンは、私が期待するプレーを明確に表現できた試合は1試合もありませんでした」と率直に明かす。