久保はボルダラス戦術の“犠牲者” ヘタフェ番記者、“残留決定弾”を絶賛「感動的ゴラッソ」
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【スペイン発コラム】レバンテ戦でこれ以上ない大仕事、今季初ゴールで1部残留に導く
ヘタフェは勝ち点3さえ獲得すれば1部残留がほぼ決定というところまできてから3連敗、3戦連続無得点、そして直近11試合でわずか1勝という極度の不振に陥るなか、16日のリーガ・エスパニョーラ第37節レバンテ戦を迎えた。ホームでの一戦に日本代表MF久保建英は途中出場し、これ以上ない大仕事を成し遂げた。
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スペインでは先週、非常事態宣言が解除されたことにより規制が緩和され、第37節より一部のスタジアムでは有観客試合が認められた。しかしヘタフェの位置するマドリード州はその規定を満たしていないため、今季は最後まで無観客で試合を行うことになっていた。
試合の生観戦が不可能であるにもかかわらず、ホーム最終戦で我がチームの残留を後押ししようと、試合1時間前、スタジアム周辺には300人を超えるサポーターが集結し、チームカラーの青い発煙筒を焚き、決戦に臨む選手を乗せたバスを迎え入れる際には大歓声で鼓舞した。

これに参加していた幼少期からの熱狂的なヘタフェサポーターであるホルヘさんは試合前、久保が現在、控えという状況が続いていることについて、次のような見解を示していた。
「タケ・クボのパフォーマンスは良いと思うけど、ボルダラスが指摘しているように、彼はピッチ全体でもっとインテンシティーが必要だと思う。もしそれさえあれば、もっと出場機会が増えると思う。ヘタフェではインテンシティーがなければ、スタメンになることは不可能だ」と強く訴えた。
今季、采配が的中していないホセ・ボルダラス監督については、「彼は今季、特にとても保守的だよ。僕たちは今までに彼がもたらしてくれたものには本当に感謝しているけれど、彼の試合に向けたプランニングが保守的なのは間違いない。特に下位チーム相手の時にはね。例えば先日のエイバル戦もそうだった」と指揮官の戦い方を非難した。
ボルダラス監督はリーガ第35節エイバル戦、ホームで勝利が必須だったにもかかわらず、試合終盤に差しかかっても積極的にゴールを狙いにはいかず、後半33分にFWエネス・ウナルを下げてセンターバックのDFチェマ・ロドリゲスを投入し、攻撃を捨てて守備を固めてスコアレスドローの状況を維持しにいったものの、試合終了間際にPKで失点し0-1の敗北を喫していた。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。