“237億円”補強報道とロシア人オーナーへの支持 騒動後に際立つチェルシーの盤石な姿
チェルシーのサポーターはオーナーと経営陣をあっさりと許した
確かに短期間ではあるが、トゥヘルの手腕がしっかりしていることは分かった。しかし新型コロナウイルスの影響で、どのビッグクラブも例外なく資金難に喘いでいるなか、ポンっと237億円もの補強費を本当に出そうというのなら、その気前の良さは素晴らしいの一語でしかない。
クラブの資産価値や収入増を気にするより、チームを強くするという意思を優先する。それがあるからSL発足の報道後、チェルシーサポーターがいち早く抗議行動を起こしていたにもかかわらず、撤退を表明すると、オーナーと経営陣をあっさりと許した。
こうしたSL騒動の余波から生まれた明暗を見ても、チェルシーの来季躍進は間違いなく期待できそうだ。
(森 昌利 / Masatoshi Mori)
森 昌利
もり・まさとし/1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。