リオ五輪の最終兵器はケイマン! アメリカ生まれの異色FW富樫がガーナ戦で衝撃のゴラッソデビュー
華麗なループシュートで決定力示す
大学時代までまったく無名だった「ケイマン」が、リオデジャネイロ五輪に臨む日本代表の秘密兵器に名乗りを挙げた――手倉森誠監督率いるU-23日本代表は11日の国際親善試合ガーナ戦を3-0で勝利した。この日スタメン起用され、初めて日の丸を背負った新鋭FW富樫敬真(けいまん/横浜FM)はチーム3得点目を決め、本戦の18人枠入りへアピールした。
端正な顔立ちのストライカーが、充実感を漂わせた笑みを浮かべた。MF矢島慎也(岡山)の2得点で2-0とした前半30分、日本が前線からの激しいプレッシャーからFW浅野拓磨(広島)がボールを奪い、富樫へとパス。富樫は手DFと前に飛び出すGKが一気に寄せたが、そのプレッシャーをあざ笑うかのようなループシュートを冷静に決めて、試合を決定づける3点目を奪った。
「思ったよりもトラップがデカくなっちゃいましたが、珍しく冷静になれました。決められてよかったです」と振り返った。
富樫は日本人の父とアメリカ人の母のもと、米国で生まれて小学校で日本へと戻った。しかし、10代の頃は世代別日本代表と無縁だった。横浜FMのジュニアユースに所属したもののユースには上がれず、日大高を経て関東学院大へと進学した。まったく無名の存在だったが、練習生として訪れた横浜FMの練習グラウンドで大きな転機が訪れた。
横浜FMを率いるエリク・モンバエルツ監督はゴール前へ積極的に飛び出す富樫のプレースタイルを評価し、昨夏に特別指定選手として登録。そしてデビュー戦となったJ1セカンドステージ第11節FC東京戦で、途中出場ながら後半43分にヘディングで決勝点を奪って初出場初ゴールを記録し、プロ契約を勝ち取った。そして今季もリーグ戦7試合2得点の結果を残している。その勢いを買った手倉森誠監督の起用に応え、Jデビュー戦と同じくU-23日本代表初陣でも得点をマークした。