“悲運の天才”バッジョ、1994年W杯決勝のPKミスを再悔恨 「今でも自分を許せない」
94年W杯決勝でPKミスで敗北 「人生の中でクロスバー上に外したのはあの1回だけ」
元イタリア代表のファンタジスタであるロベルト・バッジョ氏が、1994年のアメリカ・ワールドカップ(W杯)におけるPK失敗はまだ重く圧しかかっていると、イタリア紙「レプブリカ」のインタビューで告白した。
バッジョ氏は当時、テレビ放映の都合で昼間のゲームがほとんどになった灼熱のアメリカで、満身創痍になりながらチームを決勝まで導いた。グループリーグではGKの退場処分に伴い交代を命じられるネガティブなスタートながら、決勝トーナメントに入ると次々に苦しい展開を救う決勝ゴールを連発した。
しかし、決勝のブラジル戦では“悲劇の主人公”になった。0-0でPK戦に入ったゲームで、先攻のイタリアは1点ビハインドで5人目を迎えた。外せば敗戦が決まる状況で、名手のキックはクロスバーの上を越えていった。
このキックについてバッジョ氏は、「人生の中でクロスバーの上に外したのはあの1回だけだ。なぜそうなってしまったのか、分からない。今でも、自分を許すことができていないんだ。あのキックを決める場面を夢に見るが、あの時のボールは私を殺し、何も聞こえなくなった」と、振り返っている。
すでに当時から27年近くの月日が過ぎているものの、今でもW杯における悲劇的な名場面として歴史に残っており、PK失敗に対する後悔の念はファンタジスタから消えていないようだ。
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