メキシコ代表のキーマンは日本人&元Jコーチ? 東京五輪で要警戒「日本の夏を熟知」
フィジカルコーチのアニバル氏は2018年に徳島に在籍「日本の気候を肌で感じている」
今回、メキシコ五輪代表にとって、日本人である西村コーチの存在だけでなく、さらに二つの強みがある。
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現役時代、MFとしてメキシコ代表にも選ばれているハイメ・ロサーノ監督は、04年のアテネ五輪にも出場。チームは1勝1分1敗でグループリーグ3位となり、決勝トーナメントには進出できなかったが、指揮官が選手として過去に五輪を経験していることは大きなプラスだ。同監督はA代表でもMFとして34試合に出場し12得点。05年にはコンフェデレーションズカップ、04年、07年にはコパ・アメリカにも出場しており、国際大会での経験も豊富だ。
そしてもう一つが、フィジカルコーチを務めるスペイン人のアニバル・ゴンサレス氏の存在だ。同氏は18年に当時J2の徳島ヴォルティスでリハビリテーションフィットネスコーチとして1年間勤務。日本の夏の気候や食事を熟知している。メキシコ五輪代表は3戦目の南アフリカ戦を札幌で戦うが、その際には飛行機移動も伴う。西村氏は「彼も日本の気候、食事などをフィジカルコーチとしての視点から肌で感じていて、日本で試合をすることの難しさを体験している。組み合わせや会場が決まり、メディカルスタッフや栄養士に暑さや移動、ハーフタイムに体温を下げる工夫などをすでに伝えてくれている。僕の出番はないなと思っています」と全幅の信頼を寄せる。同チームでは専属シェフを帯同させるプランも検討中だという。
男子サッカーは7月22日に開幕し、決勝までの6試合を17日間で戦うハードなスケジュールで行われる。それだけにチーム全体の力が問われる大会となる。
「本大会だからといって新しいことをやるのではなく、今までやってきたことをより高いレベルに上げることが大事。もちろん目標は優勝です。優勝する自信はあります。メキシコ人選手一人ひとりの本大会に懸ける気持ちや、メキシコ人として生まれ持った競争心、一人ひとりのタレント性、それを生かしてチームのために皆がプレーできるのも強みです」と胸を張る西村氏。メキシコは日本のライバル国となるだけに、要警戒だ。
[プロフィール]
西村亮太(にしむら・りょうた)
1985年4月29日、大阪府生まれ。大塚高、天理大までサッカーを続ける。筑波大大学院で指導者の道へ。2010年に交換留学生としてメキシコに渡り、13年に指導者養成学校を卒業。指導者資格を得る。同国のクルス・アスル、パチューカ、サントス・ラグーナでアナリストや下部組織のコーチを経て、16年にタンピコ・マデロ、17年にはケレタロでトップチームのコーチを務める。18年12月からメキシコ五輪代表コーチ。
(FOOTBALL ZONE編集部)