メキシコ代表のキーマンは日本人&元Jコーチ? 東京五輪で要警戒「日本の夏を熟知」
メキシコ五輪代表の西村亮太コーチを直撃、本大会では国内組に海外組をプラスか
東京五輪の男子サッカーで北中米カリブ海予選を勝ち抜いたメキシコは、グループリーグで開催国の日本、フランス、南アフリカの3カ国と同居した。2012年のロンドン五輪以来、2大会ぶり2度目の金メダルを目指す北中米カリブ海の雄は、いったいどんなチームなのだろうか。日本人ながら同国五輪代表でコーチを務める西村亮太氏(36歳)に、メキシコ五輪代表について聞いた。
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今年3月にメキシコで行われた北中米カリブ海予選で優勝を果たし、3大会連続12回目の五輪出場を決めたメキシコ。国内組のみで臨んだ予選では5試合で11得点2失点。グループリーグではドミニカ共和国に4-1、コスタリカに3-0、アメリカに1-0と3連勝し、勝てば五輪出場が決まる準決勝でカナダに2-0で快勝。決勝もホンジュラスを1-1からPK戦の末に下し、負けなしで予選を突破した。
「出場権を獲得できた時はホッとしました。それと同時に、本大会に向けていよいよだなという気持ちが強い。予選も本当に開催されるのか分からなかったが、間違いなくこの1年間を有効に使えた。選手たちは各々のクラブで試合を重ねてレベルアップしたし、チームとしてもレベルアップできたと思います」
ベースとなるフォーメーションは4-3-3だが、試合の流れや相手の出方によって流動的に変わるのが特徴だ。「攻守ともにチームとしてやることがはっきり決まっていて、選手一人ひとりがチームのためにしっかり働ける。あとは勝負強さ。メキシコ人の闘争心があるのが強みだと思う」と話す西村氏。「前線にすごく力のある選手が揃っているし、前線を支える後ろにもしっかりした選手がいる。予選では2失点しかしなかったが、それは前線の選手からしっかり守備をしてくれたから。攻守ともにバランスが取れたチームだと思う」と特徴を明かした。
予選ではMFセバスチャン・コルドバ(アメリカ)が4得点、FWウリエル・アントゥーナが3得点を挙げた。だが、西村氏は「ほぼ全員が中心選手。予選ではたまたま2人が得点する機会が多かったが、他にもFWアレクシス・ベガ(グアダラハラ)、MFカルロス・ロドリゲス(モンテレイ)、MFロベルト・アルバラード(クルス・アスル)、MFリカルド・アングロ(グアダラハラ)、FWホセ・マシアス(グアダラハラ)らがいる。後ろの選手もそれぞれのパスをゴールまでしっかり繋げてくれる。その結果として、最後にコルドバやアントゥーナが最後のタッチをするだけでした」と、中南米の中でも有数のレベルの高さを誇る同国リーグで揉まれた選手たちが揃っていることを強調した。
予選は国内組のみで臨んだが、五輪本大会ではオーバーエイジ枠や、MFディエゴ・ライネス(ベティス)、DFエドソン・アルバレス(アヤックス)ら海外組の招集も検討されている。メキシコ国内では、オーバーエイジ枠候補として、“チチャリート”の愛称で親しまれているFWハビエル・エルナンデス(LAギャラクシー)の名前も挙がっている。ただ、五輪と同時期に北中米カリブ海王者を決めるゴールドカップが開催されることもあり、西村氏は「最終リストはまだ全然決まっておらず、各クラブの事情もあるので、サッカー連盟内で調整しているところです」と説明した。