パス成功率「8割超え」も“勝てない”浦和、ボール保持で招いた“最終局面の課題”
アウェー福岡戦で0-2、ファイナルサードで脅威与えられず敗れる
浦和レッズは1日のアビスパ福岡戦で、非常に高いボールポゼッション率を記録しながらも0-2で敗れた。フル出場したDF西大伍は「確率と、たまにそれを無視した強引なドリブルとか、そういうものがあっても良かった」と、攻撃の選択について話した。
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浦和は前半の立ち上がりからボールを回しながら前進し、福岡陣内に切り込んでいった。FW興梠慎三への縦パスも入り、中央に起点を作りながら全体を押し上げるプレーが機能していた。しかし、同8分にクロスをGK西川周作がキャッチしきれずに、そのこぼれ球をFWブルーノ・メンデスに押し込まれて先制を許すと、ボールを持ちながらも攻撃の最終段階に入っていけない時間になった。
リカルド・ロドリゲス監督も試合後に「しっかりボールを握りながらうまく攻撃してコントロールできていたが、ファイナルサードでシュートやゴールを取れなかった。ラストパスがずれてしまうなど、最後のところに改善点が残った」と話した。
西は「ちょっとアンラッキーな形で失点したのはかなり大きい。それで相手が元気を取り戻したというか、入りの部分でやっていたことは相手も驚いていたし、ハメようとしてもハマらないボール回しができていた。バランスを保って失点せずに進めれば相手にスキも生まれたと思う」としたものの、失点を機に「外回しの時間がちょっと多かった」と、相手のブロックの外側でボールを持つ時間が増えてしまったことを話した。
中継を担当した「DAZN」のスタッツでは、前半終了時に浦和のボール支配率は74%で、パス本数は福岡の91本に対して446本とほぼ5倍。成功率も58%と91%の差があった。後半終了時に、浦和の支配率は68%まで下がり、パス本数も234本と774本、成功率も68%対87%と相対的に差は詰まったものの、シュート数は前半で福岡が6本に対して浦和が2本、試合終了時に福岡12本に対して浦和が9本だった。
こうした試合展開に対して西は「(パスが)真ん中に入った時に、もっと選手間が近くいられるか。そういうシーンでは、クロスなど最後のところまで行けていたと思う。確率と、たまにそれを無視した強引にドリブルとか、そういうものがあっても良かった。チームとして勝負のパスが入った時に、もう1人くらい絡んでいけたほうが良かったかなと思った」と、丁寧に崩そうとしすぎた部分、後ろからの持ち運びに人数を割いた面があることを話した。
浦和はロドリゲス監督の就任で、ここ数年よりもボール保持の質は高まり、全体でビルドアップをしながら前進する姿勢を見せるチームになっている。4月には公式戦5勝1分1敗と好成績を残したが、この福岡戦は次なる課題がくっきりと見えるゲームになったようだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)