「ジャッジリプレイに育てられている」 担当MCが語る番組の意義「審判がいかに難しい仕事を…」
【桑原学氏インタビュー|第2回】『ジャッジリプレイ』を通して伝えたいこと「僕も番組に気づきをもらった1人なんです」
サッカー中継の実況やDAZN『Jリーグ ジャッジリプレイ』のMCとしてお馴染みのフリーアナウンサー、桑原学さん。ファンからの反響も大きい同番組がスタートしたことは、自身にとっても大きな影響があったという。「僕もジャッジリプレイに育てられている人間です」と語る桑原さんにジャッジリプレイのこと、審判のこと、VARのことを聞いた。(取材・文=石川 遼)
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――桑原さんがMCを担当されている『Jリーグ ジャッジリプレイ』はJリーグで起きた判定の中から特にSNSで話題となったプレーについて紹介し、解説するサッカーファン向けの番組です。桑原さんも競技規則に関しては相当な勉強が必要になるのではないですか?
「僕自身もやりながら学んでいるところはありますね。基本的には、僕も視聴者の皆さんと同じで、一緒に学んで理解を深めていくというスタンスでやっています。僕はジャッジに関しては素人ですし、審判ゲストの方にする質問も、視聴者の皆さんを代表して聞かせてもらっているという感覚です」
――ジャッジリプレイでは毎回ファンの方々の疑問の声を拾い上げて、それを専門家のゲストが分かりやすく解説してくれています。ファンも番組に参加できる、とてもいいコンテンツだなと感じます。
「僕自身もこの番組を通じて、いろいろな方がルールや判定の難しさについて考えるきっかけ作りができたら良いなと感じています。世界でもこういう番組はあまりないと思いますし、やる意義はすごく大きいと思います。サッカーは世界中で愛されているスポーツで、ルールを詳しく知らなくても楽しめますし、詳しく知らなければいけないものでもないと思います。ただ、ルールを知ることで、より楽しめる部分もあるので、その一助になれたらと思っています。
あとは、やっぱり審判の方々もサッカーの試合を一緒に作っている仲間であることや、審判がいかに難しい仕事を担ってくれているのかということの理解を広められたらと思っています。こうして偉そうに話していますが、僕自身もジャッジリプレイを担当させてもらうまでは、ここまで深く考えていたわけではないですし、僕も番組に気づきをもらった1人なんです」
――サッカーの審判はネガティブな話題ばかり注目されてしまいがちです。理解が広まることは、本当に重要なことだと感じます。
「サポーターやサッカーファンからすると、審判ってどうしても“見えない壁の向こう側にいる人”という感覚が、いまだにあるようにも感じますし、それによって変に敵対視されてしまうこともあると思います。
番組で一番伝えたいのは、ルールへの理解はもちろんなのですが、それとともにサッカーの審判という仕事の難しさ、そしてそれを率先して担って下さっていることへのリスペクトです。良い仕事をしても滅多に褒められず、理不尽な批判を受けることが多い仕事なんて、他になかなかないですから。審判がいないとプロの試合は成り立ちませんしね」