年間10ゴールを奪うボランチへ 浦和の”10番”柏木が本能のままに振り抜いた右足

さいたまダービーの勝利を呼び込んだリーグ戦2試合連続ゴール

 一閃したのはトレードマークの左足ではなく、右足だった。8日の“さいたまダービー”となった浦和レッズ対大宮アルディージャの一戦で、1-0の決勝ゴールを挙げたのが浦和の日本代表MF柏木陽介だった。

 そのゴールが生まれたのは、スコアレスのまま前半が終了しようかという44分だった。中盤で柏木が相手MF岩上祐三の横パスを引っ掛けると、ボールは浦和MF武藤雄樹と大宮DF奥井諒のいる地点へ飛んだ。奥井の後ろから武藤がスッと足を出して柏木の前にボールを置くと、高速ワンツーの形になったまま走り込んだ柏木がダイレクトで右足を振り抜いた。ややアウトサイドにかかったシュートが、この日が古巣初対決だった大宮GK加藤順大の頭上を破ってゴールに吸い込まれた。

 今シーズンが始まる前の時点から、自身の課題を「得点力だ」と話していた。

「世界的に見ても、ボランチの位置からシーズンで10点取れる選手が良い選手だと思う。このチームのパサーは自分だというプライドは持っているけど、よりゴールを取れる選手になっていきたい」

 その頭の中にあった問題意識が、ピッチ上で無意識のうちに発揮されたのだという。右足のシュートの鮮やかさよりも、柏木自身は「シュートを打とうという気持ちがあったからこそのゴール」と振り返った。

「最初は武藤の方向に走ったけど、体の向きを見て前にこぼれると思って走るコースを変えた。ボールがどちらの足の方に落ちてきても、そのままシュートを打つと決めていたから、右足でそのまま打つ形になった。今までだったら、パスを考えてそういうゴール前への入り込み方はできていなかったと思う。ノブ(加藤)もいいGKだというのは分かっているけど、『入ってくれ』という気持ちでシュートができた」

 

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