浦和との“引退試合”で起きた奇跡 プロ生活10年の左SB「神様っているものだと…」
プロ最後の試合で意地のアシスト、浦和サポーターから労いの“三上コール”
2011年12月17日、埼玉の熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われた浦和との第91回天皇杯4回戦が“引退試合”だ。
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後半46分から登場し、3分後に出色の左クロスを配球すると福田健二が頭で合わせた。古巣を相手に意地のアシスト。試合後、浦和サポーターからも労いの“三上コール”が起こった。
「この試合がプロで一番の思い出ですね、神様っているものだと初めて思いました」
それから1カ月後に会社員となって丸9年勤務。この4月からは保育園の管理者として、セカンドキャリアの第2章をスタートさせた。「思うようにいかない厳しいサッカーの世界を経験し、大勢の人と出会えたことが何よりの宝」と神様に感謝した。(文中敬称略)
河野 正
1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。