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宮本恒靖が読み解く名将のマネジメント グアルディオラだからできること
将来監督をやるとしたらペップ流を試したい
とはいえ、言うのと実際にやるのとでは大きく違う。「規律を守れ」と言いつつ外国人選手のわがままに目をつむったり、「調子が良い選手を使う」と言う一方で主力選手ばかりを起用したり…。そうしたケースは少なくないが、ペップのチームではそういったことはない。ちょっとでも”例外“を許せば、チーム力が途端に落ちてしまう事を知っているのだろう。
選手、スタッフ、メディア、スポンサー。クラブに関わるあらゆることについて、自分の決めたルールの下に「フェア」を貫くこと――。全員を平等に扱うことでチームに規律をもたらすのが、ペップ流マネジメントだ。
ペップのようなやり方もあれば、チェルシーのジョゼ・モウリーニョのように自分の息のかかった選手を重用し、チーム内に”派閥“を作ってまとめるというマネジメントをする監督もいる。モウリーニョ流マネジメントは、必然的にチーム内に”敵“を生み出すため、バラバラになる危険性もはらむ。
将来、仮に自分が監督をする場合は、「フェア」を貫くペップのやり方を試してみたいと思う。もちろん、グループを構成する選手の性格によってやり方は違ってくるだろうし、はたから見ているほど簡単ではないのは容易に想像がつくのだが。
いつの日か、ペップに聞いてみたいことがある。バルセロナでの4シーズン目を終え、彼はチームを去った。ペップは「エネルギーがなくなったこと」を退任理由に挙げていたが、ペップにはチームのサイクルの終わりが見えていて、それが来る前に自ら身を引いたように、私には思えてならない。
ペップは、本当はどう思っていたのか? いつかチャンスがあればぶつけてみたい。
【了】 宮本恒靖●文 text by Tsuneyasu Miyamoto
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