なぜ三笘のドリブルは止められない? 元日本代表DFが解説「“後出しジャンケン”できる」
「剛速球のストレートを持っているから、フォークやチェンジアップが活きる」
しかし、三笘の凄みはそれにとどまらない。「先ほどはテクニカルの面を強調したけれど、実際は、シンプルに三笘って飛び抜けて速いんですよ」と切り出し、今度は柏レイソル戦の場面を取り上げた。0-0で迎えた後半35分、左サイドでボールを持った三笘は、爆発的なスピードで対峙していたDF高橋峻希を振り切ってペナルティーエリア左に侵入。MF家長昭博の決勝点をアシストした。
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栗原氏はこのプレーについて「これは本当に相当速い。ゴールラインまで10mくらいのスペースだけど、最後は右足でパスを出せるくらいまで距離を離しているということ。普通であれば、左足で入れる余裕しかないはず。峻希もかなり速いはずなのに、どれだけスピードに差があるんだというレベル。実際に目で見るより、体感スピードは段違いで速いのだと思う」と言及した。
「(川崎の下部組織でコーチを務める)矢島卓郎と少し前に話した時も、三笘はスピードでも川崎で一番速いと言っていた。一瞬のスピードもめちゃめちゃ速いと驚いていた。野球で言えば、剛速球のストレートを持っているから、フォークやチェンジアップが活きる。抜群の縦突破があるからこそ、相手DFは迷ってしまう。食いつけば足首でかわせるし、食いつかなければ縦の突破で振り切られる。つまり、後出しジャンケンができるということ」
3月26日に行われた国際親善試合のU-24アルゼンチン戦(0-1)で三笘は先発を飾ったものの、本領を発揮するには至らなかったが、「川崎の選手は、三笘の良さを分かっているから、チームメートがドリブルできるスペースを作り出す動きをしているが、アルゼンチン戦では例えば三笘が走り込みたいスペースに味方が走り込む場面も見られたので、そういう点でも、代表では持ち味を発揮するのに苦労したのかもしれない」と振り返っている。
三笘の備える実力やポテンシャルは申し分がないため、必要なのは国内外での経験値となるが、Jリーグと日本代表の舞台で戦ってきた百戦錬磨の栗原氏も「今後の日本を担っていく逸材であることは間違いない」と太鼓判を押していた。