「私たちがボールを持てば…」 浦和ロドリゲス監督、大分戦の「5バック攻略法」は?
ロドリゲス監督は大分のポゼッションを警戒し、長所で相手を上回る構想を示唆
浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督は23日、トレーニング後のオンライン会見を行い、今週末の大分トリニータ戦について「私たちがボールを持てば、相手はボールを持てない」と、相手の長所を封印する構えを見せた。
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浦和は今季、ルヴァンカップのグループステージ初戦・湘南ベルマーレ戦で“対3バック”を経験しているが、リーグ戦ではJ1リーグ第5節・北海道コンサドーレ札幌戦(0-0)以来になる。それも、ロドリゲス監督が「札幌も5枚で守るが、ピッチ全体でマンツーマン。そこは違う形になると思う」と話したように、違ったパターンが必要になる。
大分は、片野坂知宏監督による「カタノサッカー」という愛称も持つポゼッションサッカーが特徴。一方で、守備時には5-4-1の強固なブロックを形成する傾向がある。浦和としては、その牙城を崩すことが求められる。
ロドリゲス監督は「5バックをどうこじ開けるかは、この時点では言いたくない。戦術的に違ったバリエーションを入れていく」としたものの、「大分はポゼッションが強い。GKも参加してポジションを変えながらつないでくる。数字を見てもポゼッション率が高い。しかし、私たちがボールを持てば相手はボールを持てない。それがポイントになると思う」と、相手の長所を上回ることで試合の結果につなげるプランのようだ。
この日のトレーニングでは、違うシステムを使い分けながら5バックで守る相手の攻略法をチームに伝えていた。前線の人数や中盤の構成については、これから最適なバランスを見つけることになるだろう。「全員のサッカーに対する理解は深まっていると思う。チームの中に競争があるのは良いこと。監督が誰を使うのか悩むのは、みんなが良い状態だからこそ嬉しい。メンバーを選ぶのが非常に難しい状況が来ている」と語り、チームの成熟度アップには手ごたえを感じているようだ。
21日のルヴァン杯、グループステージ第3節・横浜FC戦(2-1)ではユース所属のDF工藤孝太をフル出場させた。3月の同杯、湘南ベルマーレ戦では高卒ルーキーのDF藤原優大がデビュー。2人の若きセンターバックの共通点はハーフタイムを境にDF岩波拓也、DF槙野智章と45分ずつともにプレーしたこと。その理由を「エリートリーグで2人を組ませたが、より経験のある選手と組ませたほうが良いと思った。2人が組んでプレーするのは少し先のことかと思う」と話すように、若手の成長にも気を配りながらチーム作りを進めている。
今季から指揮を執るロドリゲス監督だが、すでに浦和に変化を与えているのは明らかになっている。6連敗中と不振の大分が相手だが、戦術的な工夫を凝らす指揮官は、選手たちにどのような5バック攻略法を授けるのか注目される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)