「負けると後がなくなると…」 浦和FW杉本健勇、逆転勝利を導く2ゴールに安堵

浦和レッズFW杉本健勇【写真:Getty Images】
浦和レッズFW杉本健勇【写真:Getty Images】

ルヴァン杯の横浜FC戦、2-1の逆転勝利に貢献

 浦和レッズのFW杉本健勇が、21日のルヴァン杯グループステージ第3節の横浜FC戦で2ゴールの活躍を見せ、2-1での逆転勝利を呼び込んだ。ゴールがなかなか決まらずに苦しんでいたストライカーは「今日、負けると後がなくなると思っていた。そのなかで勝つことができ、点も取れて良かった」と安堵した表情を見せた。

 杉本は浦和加入3シーズン目になるが、期待を受けて加入して以来の2シーズンは公式戦でのゴール数が2点、4点と苦しんだ。今季もここまでリーグ戦で2点を奪っているものの、1点はPKであり、出場時間数に対してのゴール数やプレー内容の部分では苦しい面があった。直近のリーグ戦4試合では、FW武藤雄樹をゼロトップ気味に起用して3勝1敗と結果も出ており、ベンチスタートが続いた。

 そうしたなかで、ここまで1分1敗と勝利がなかったルヴァン杯にFW興梠慎三と2トップを組んで出場。しかし、「普段、出ていない選手や若手が出ていたし、上手くいかなくてもサポートしたいと思っていた。ただ、20分くらいまで上手くいかず、失点もしてしまった」と話したように、ユース所属のDF工藤孝太をセンターバックの一角に起用し、GK鈴木彩艶、DF福島竜弥を含め10代の選手3人が入った守備陣は前半14分、横浜FCのFWクレーベに先制点を許してしまった。

 それでもハーフタイム直前、杉本は福島からのクロスを打点の高いヘディングでゴールし、「練習でいつもクロスが前に引っかかることが多かったけど、今日はすごく良いボールだった。彼も初アシストだと思う。決められて良かった」と、今季ユースから昇格したレフティーを気遣った。

 さらに後半12分には、福島の低いクロスを逆サイドからMF田中達也がワンタッチで速いクロスを中央に返すと、「ワンタッチで来ると思っていなかったけど」と話した杉本だが枠内にヘディングで抑え込んで貴重な逆転ゴールになった。

 今季は開幕前、沖縄県でのトレーニングキャンプ中に規律違反があり、厳重注意と罰金処分も受けた。開幕後もリカルド・ロドリゲス監督が献身的なプレーを高く評価する一方で、ゴールの少なさや決定機を逃す場面が批判もされてきた。そうした思いもあったのか、試合後に受けた中継局のインタビューを終えると、1人で向かった約1000人が詰めかけたサポーター席の前で、深々と一礼していた。

 これでルヴァン杯は3試合を終えて1勝1分1敗と、混戦グループの中で突破の可能性も残った。殊勲のストライカーは「アップの時からすごくたくさんのサポーターがゴール裏にもメインスタンドにも来てくれた。今日、負けると後がなくなると思っていた。そのなかで勝つことができ、点も取れて良かった」と話した。

 ロドリゲス監督の就任から、攻撃的なサッカーでボール支配率も高まっている浦和だけに、最後の仕上げが課題になっていた。このゴールで杉本が波に乗るなら、浦和には大きなプラス材料になりそうだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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