“崩壊寸前”の欧州スーパーリーグ構想、“48時間”で投げかけた現代サッカーへの課題

プレミアクラブの脱退表明に続き、スペイン、イタリアでも同様の動き

 そうした中で、現地時間20日にシティ、チェルシーの脱退意思が判明すると、雪崩を打つようにプレミアリーグ勢の他4クラブも脱退した。さらに、移籍情報に精通する記者として知られるファブリツィオ・ロマーノ氏は、イタリアではインテルが脱退し、ミランも脱退へ向けた書類作成をスタートしたとレポート。スペインメディア「TV3 Catalunya」では、バルセロナはジョアン・ラポルタ会長がソシオ総会で承認されるまでスーパーリーグ参加は認めないとし、アトレティコも脱退への動きがあると報じた。

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 結果的に、冒頭の中心的なクラブであるレアルとユベントスを除く10クラブは、この欧州を中心とした総スカン状態により、まさに「沈む船から逃げる」かのごとくスーパーリーグ構想からの脱退へ動いたことが明らかになった。そして、ロマーノ記者はスーパーリーグからの公式文書を公開した。

「既存のシステムが機能しないため、新しいヨーロッパの競争を提案している。私たちの提案は、パンデミックの結果としてサッカーコミュニティ全体が経験した経済的困難を克服することを支援し、サッカー界のピラミッド全体のリソース確保と安定性を生み出しながら、スポーツ的に進化させることを目的としている。それはまた、すべてのサッカーの利害関係者に実質的に強化された支払いを提供するだろう。

 英国のクラブの離脱が発表され、圧力のために彼らはそのような決定を下すことを余儀なくされた。しかし、私たちの提案はスーパーリーグを第三者から保護するという裁判所の決定によって今日示されたように、ヨーロッパの法律と規制に完全に一致していると確信している。

 現在の状況を踏まえ、サッカーコミュニティ全体の金銭的な収入を強化しながら、ファンに可能な限り最高の体験を提供するという目標を常に念頭に置いて、プロジェクトを再構築するための最も適切な手順を再検討する」

 実質的に、このスーパーリーグ構想は完全に頓挫したと言えるだろう。はしごを外されたとも言えるレアルとユベントスがこの後にどのような反応を示すのかは未知数だが、国際サッカー連盟(FIFA)やUEFAと完全対立した組織としての運営では、例を挙げれば審判団はどうするのかなど、実現可能性の中で疑問に思われる点も指摘されていた。

 一方で、このスーパーリーグ構想で示されたサッカー界が抱える課題やUEFAネーションズリーグをはじめとした新設大会によって日程が過密化したことによるクラブとUEFAやFIFAの対立構造などが存在するのも事実だ。この48時間は未来のサッカーに何を投げかけることになったのか、ただ「なかったことにする」という収束で良いのかには疑問が残る。最終的な幕引き次第で、遺恨が残るのかどうかも注目されることになりそうだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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