手倉森監督がU-21日本代表の成長に手応え より成熟させるために「7試合は経験したい」

敗戦を糧にするために

 仁川・アジア大会に出場しているU-21日本代表は20日、ネパール戦に向け、安山市内で約1時間半の調整を行った。
 今大会は初戦のクウェートに4-1と大勝を収めたが、第2戦でイラクに1-3と敗戦。現在、1勝1敗で決勝トーナメント進出を確実にするためには勝利が必須だ。だが、手倉森誠監督は、その先を見据えていた。この日、リスタートの練習に時間を割き、トリックプレーにも取り組んだ。指揮官は「決勝トーナメントに行くことを意識した準備」と言い、こう続けた。
「戦いながら成長している。スタートから使ってない選手も、気持ちを持つことが大事。五輪予選に向け、7試合は経験したい。スタメン、サブにとらわれず、ゴール地点を見据えたい。ネパール戦は敗戦の悔しさを出す場。グループステージの高まりが、決勝トーナメントにつながる」
 一戦、一戦の国際試合が、若き日本代表にとっては、成長の場となるのだという。より多くの試合を積み重ねることで連係が深まり、チームの約束事も徹底されていく。今大会後には、2016年のリオ五輪を目指すアジアでの戦いが待っている。指揮官はチームを成熟させる上でも決勝へと進み、より多くの経験を選手たちに積ませたいと考えているのだろう。
 ネパール戦は、イラク戦とスタメンを入れ替えずに臨む見込みだ。手倉森監督は対戦国の印象にも触れ、「ネパールはアグレッシブで強い。対人のとこで怖がらないタフさがある」と語った。
 この年代は過去、イラク相手に真剣勝負の国際大会で2度敗れていた。第2戦でその宿敵と対戦したが、3度目の正直はならず。屈辱を味わった。だからこそ、策士は言う。
「イラク戦では多くのことを気づかされた。負けて良かったと思える戦いをしたい」
 手倉森監督は痛い敗戦を糧に、チームをさらなる高みへと導こうとしている。そのために、まずは決勝トーナメント進出を懸けてネパール戦に全力を注ぐつもりだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング