「恥知らずだ」 マンU伝説の英雄、欧州スーパーリーグ創設メンバーの古巣を批判
カントナ氏がウッドワードCEOに苦言「サッカーにとって最も重要なのはファン」
現役時代にイングランド・プレミアリーグの名門マンチェスター・ユナイテッドで活躍した元フランス代表エリック・カントナ氏が、スーパーリーグ構想と、古巣がその創設メンバーに名を連ねたことを批判している。衛星放送「ユーロ・スポーツ」などが報じている。
現地時間18日に発表された欧州スーパーリーグ構想では、スペインの強豪レアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長が初代会長を務める。イタリア・セリエAの名門ユベントスのアンドレア・アニェッリ会長は、すでにUEFAの理事を辞任。こうしたビッグクラブのうちスペイン、イタリア、イングランドの12クラブがすでに参加を明言して、さらにドイツなどから3クラブを加えた15クラブが固定メンバー。さらに5クラブを加えた20クラブでのリーグ戦構想を打ち出した。
この創設メンバーの中にユナイテッドが含まれる。スーパーリーグ構想について意見を求められたカントナ氏は、ユナイテッドの現CEO(最高経営責任者)であるエド・ウッドワード氏を批判した。
「1年間、素晴らしいクラブ、素晴らしい選手だけの試合を見続ける。それは私たちを飽きさせ、私たち自身が飽き続ける。サッカーにとって最も重要なのはファンであり、サポーターの存在だ。彼らこそリスペクトされるべきだ。お偉いさんたちは、彼らが何を求めているのか尋ねたのか? エドは恥知らずだ」
カントナ氏と言えば、ユナイテッド所属時の1995年1月25日のクリスタルパレス戦で観客席からのヤジに反応して、衝撃の飛び蹴りを放ったことで知られる。今でも語り継がれる伝説のカンフーキックは、そのシルエットの美しさからCDのジャケット写真にすら使用されたことがあるほどだ。結局、カントナは謝罪を拒否して禁錮2年間の判決を受ける。これは後に120日間の社会奉仕活動へと変更になったが、イングランド・サッカー協会からは最終的に8カ月間の出場停止処分を受けた。
後に「多くの楽しい時間を過ごしたが、どれか一つを選べと言われたら、それはフーリガンを蹴った時だ」という衝撃の発言も残したカントナ氏だが、一方でサポーターあってこそのサッカーとの思いもあり、それがスーパーリーグ構想に対する反対意見を述べさせたようだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)