ミラン名物会長が中国企業への身売りにNO! 「イタリア人への売却が好ましい」
明確に打ち出した売却方針
債務超過のACミランは、中国企業への身売り交渉を進めているが、名物オーナーのシルビオ・ベルルスコーニ会長は中国人ではなく、イタリア人に売却したい意向を明らかにしている。自身のフェイスブックで声明を発表した。
ミラン買収30周年を迎えた元イタリア首相は、四面楚歌(そか)の状況に立たされている。自家用ヘリコプターで練習場に乗り付け、現場介入をライフワークとしていた会長だが、ここ数年の補強と監督人事のミスから3年連続で欧州のカップ戦出場権を失う危機に直面している。すると、サポーターからは、「シルビオ、ベンデ(売れ!)、ガリアーニ、バッテネ(出てけ!)」という非情なキャンペーンが張られている。
中国アリババ社会長の馬雲氏が、7億ユーロとも呼ばれる買収提案を申し出て、ミランの親会社フィニンベストは交渉を進めていた。しかし、総帥は欧州サッカー界で猛威を振るう中国マネーにミランを売り渡すことを潔しとしなかった。
このほど、自身のSNSでイタリア人の後継者に委ねたいという意向を初めて明言した。
「ミランを売却するために1年間動いてきた。私はクラブを有能かつ、クラブの未来を補強する人物に託したい。イタリア人に売却することが好ましいと思っている。すべての提案と買収に対する興味は歓迎する」
ミランに関してもチームを全員イタリア代表で将来的に固めたいという方針を明確にしてきた元首相は、中華路線にノーを突きつけた格好だ。
「チームを支持する全ての人間同様に、ミランの不振は胸が痛む。もしかすると、あなたたちサポーター以上かもしれない。なぜなら私はこのクラブに10億ユーロ以上もつぎ込んできたからだ」
身売りの方針を認めた会長だが、新たなイタリア人の投資家を探す方針を明確に打ち出した。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images