フットサル選手権&F2王者トルエーラ柏が本拠地移転 新チーム名は「しながわシティ」

F2のクラブとして初めて全日本フットサル選手権を制したトルエーラ柏【写真:河合 拓/Futsal X】
F2のクラブとして初めて全日本フットサル選手権を制したトルエーラ柏【写真:河合 拓/Futsal X】

2020-21シーズンのF1ライセンスを満たせず、来季もF2で戦うことに

 昨シーズン、フットサル界の話題をさらったクラブが、新たな一歩を踏み出した。14日、トルエーラ柏は、本拠地を千葉県の柏市から東京都の品川区に移転し、新たに「SHINAGAWA CITY(しながわシティ)」として活動を開始することを発表した。

 柏は昨シーズンのFリーグ・ディビジョン2(F2)で、10戦全勝と圧倒的な強さを見せて初優勝を飾った。さらに、フットサル版の天皇杯である全日本フットサル選手権では、Fリーグ・ディビジョン1(F1)の絶対王者である名古屋オーシャンズ、2位のバサジィ大分など、F1の4クラブを破って初優勝を果たした。

 F2クラブながら全日本選手権で優勝した柏は、このシーズン開幕前に財政難に陥っており、経営母体が変更。品川区に本社を置く株式会社日本理化工業所の代表者でもある大栗崇司氏がクラブの代表に就任し、元フットサル日本代表選手でもあった岸本武志氏らが脇を固めていた。

 Fリーグが創設されて以来、日本のフットサル界は名古屋の一強時代が長らく続いてきた。今回、財力のある企業がバックに付いた柏が、F1昇格前に日本一に輝いたことで、名古屋の対抗馬となるクラブがついに現れたのではないかと大きな期待が寄せられていた。

 しかし、選手権優勝の後に、柏は2021-22シーズンのF1ライセンスの基準を満たすことができなかったことが発表される。この結果、仮に柏がF1・F2入れ替え戦に勝利していたとしても、2021-22シーズンのF1昇格は不可能となった。

 この決定を受けて柏は、代表の大栗氏、さらに所属選手たちが、手に黒い点を書いて無言で被害を訴える投稿を出し、F1昇格が阻まれたかのようにアピールした。現在は、SNS上のこれらの投稿は削除されたものの、Fリーグのクラブライセンス基準が公開されていないことに対しては、多くの疑問が寄せられた。その後、柏はF2優勝クラブが、F1への昇格の基準を満たしていない場合でも予定されていたF1・F2入れ替え戦の出場を辞退していた。

胴上げされる岡山孝介監督。この直後のロッカールームでクラブがライセンスを満たしていないことを聞かされる【写真:河合 拓/Futsal X】
胴上げされる岡山孝介監督。この直後のロッカールームでクラブがライセンスを満たしていないことを聞かされる【写真:河合 拓/Futsal X】

 そしてF2で出直しとなるクラブは、2021-22シーズンの開幕を前に、柏市から品川区へのホームタウン移転を発表。2021年5月11日に開幕を迎える予定のFリーグオーシャンカップ2021から、新チーム名で戦うことになる。

 クラブは柏の公式サイトで4月1日にホームタウンを移転し、運営法人が一般社団法人しながわシティスポーツクラブに変更となったことを発表した。そして、「日頃より多大なるご支援と熱いご声援をありがとうございます。クラブ創設以来、柏市の皆様をはじめ多くの方々より頂いてまいりましたご支援、ご声援に心より感謝すると共に、2021-22シーズンから東京都品川区で地元の皆様と一体となりF1への昇格を目指し、また様々な形で地域貢献を目指すクラブへ更なる温かいご支援とご声援を頂けます様、宜しくお願い申し上げます。今回の我々の申し出を受け入れて頂きました柏市様に厚く御礼申し上げます」と、公式声明を発表している。

(Futsal X・河合拓 / Taku Kawai)



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