マクトミネイの右手が顔面直撃、VAR介入→得点取り消しのジャッジが波紋

　プレミアリーグ第31節のトッテナム対マンチェスター・ユナイテッドは3-1でアウェーのユナイテッドが勝利を収めた。この試合の前半33分、ユナイテッドのウルグアイ代表FWエディンソン・カバーニがネットを揺らす場面があったが、VAR（ビデオ・アシスタント・レフェリー）介入でファールが認められノーゴールとなった。その判定が議論の対象となっている。

　0-0の均衡が破られたかに思われたシーンだった。ユナイテッドは相手陣内でパスを回し、左から右へ、右から左へとピッチを広く使って攻撃を展開。MFスコット・マクトミネイがFWソン・フンミンのプレッシャーをかわし、MFフレッジ、そしてMFポール・ポグバへとつなぎ、最後はスルーパスに抜け出したカバーニが左足でフィニッシュした。

　しかし、ボールがゴールネットを揺らすおよそ10秒前のプレー、マクトミネイがソン・フンミンを交わした場面でマクトミネイの右手がトッテナムの韓国代表エースFWソン・フンミンの顔面にヒットしている。これがファウルかどうかについてのレビューをVARが進言し、クリス・カヴァナ主審はオンフィールドレビューを行った。その結果、マクトミネイのファールが認められ、ノーゴール判定となった。

　だが、この判定に現地メディアの解説陣は疑問符を投げかけている。英衛星放送「スカイ・スポーツ」で解説を務める元マンチェスター・ユナイテッドのロイ・キーン氏は「驚いた。もしこれがファウルだと言うならみんな家に帰るべきだ。ソンほどの選手があんなふうに転がり回るなんて恥ずかしいことだ。あれはファウルではないはずだ」と反則になるほどの接触ではなかったと主張した。
　
　マンチェスター・シティなどで活躍した元イングランド代表DFマイカ・リチャーズ氏もキーン氏に同意し、「これはもうフットボールではない。ジョークはあっても、これでは試合が台無し」と判定に苦言を呈している。

　また、マクトミネイは意図的にソン・フンミンの顔を叩いたというよりは、走る際に動かした手が当たっただけのようにも見えることから、元イングランド代表MFジェイミー・レドナップ氏は「腕を下げて走れとでも言うのか？」と主張。「決してファウルではない。馬鹿げている」とやはり判定に反発した。

　なお、プレミアリーグのプロフェッショナル審判団体（PGMOL）は「スコット・マクトミネイの自然なランニングの一部ではなかった。不注意だった」と見解を示し、主審の判定を支持している。