アクシデント→機能不全に… 2年ぶり3連勝の浦和、“価値ある1勝”の舞台裏
内容的に苦戦も、粘り強く耐えロドリゲス監督の古巣・徳島戦で1-0勝利
浦和レッズは11日のリーグ第9節、徳島ヴォルティス戦で1-0の勝利を飾り、約2年ぶりのリーグ3連勝を飾った。リカルド・ロドリゲス監督が率いて1年目のチームは、アクシデントにも対応しながらプレーできる幅の広さを身につけつつある。
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浦和は日の鹿島アントラーズ戦(2-1)、7日の清水エスパルス戦(2-0)で連勝。その試合でトピックスになったことの1つが4-1-4-1へとシステムを変更したことで、その最終ラインの前に立つキーマンとしてMF柴戸海が2試合連続フル出場していた。
しかし、このゲームでは柴戸が「この試合に出られる状態かどうか、ギリギリのところでした。スタートから長い時間は出られない状態だった」(ロドリゲス監督)という状況でのベンチスタート。MF伊藤敦樹がそのポジションに入ったが、前半7分にMF武田英寿が自身のミスで失ったボールを奪い返しにいった場面で、左足首を強く捻って交代を余儀なくされた。
ロドリゲス監督は柴戸を投入するには早すぎる状況で、前半11分にFW杉本健勇の投入を決断。しかし、それは同時にFW武藤雄樹のゼロトップのような動きで2連勝を支えてきた前線の攻撃システムを諦めることも意味する。さらには「武藤を武田の位置で一回使ってみて、実際にどれくらいできるかを試したが、特徴が違うのでうまくいかなかったので、小泉(佳穂)と伊藤敦樹のダブルボランチにした」と、さらなる修正をすることになった。
そうした浦和が機能性を落としている中で徳島にボール保持を許し、指揮官も「前半の終了間際くらいまではうまくいかないまま時間が経ってしまった。内容は徳島のほうが上回っていた」と振り返った。
しかし、そうした状況でも無失点で乗り切ると、後半にはコーナーキックのチャンスで秘策を披露した。杉本、DF槙野智章、DF岩波拓也といったマークを受ける長身選手たちがあえてゴール前へ飛び込まず、逆に機動力のある選手たちだけがゴール前へ。そこでショートコーナーでつないだボールをDF山中亮輔が蹴り込むと、MF関根貴大が決めた。殊勲の関根は「昨日のトレーニングからあの形は狙っていた。それがうまくはまったので本当に狙い通り」と話した。
その後、浦和は最後の時間帯で柴戸を投入して逃げ切りに成功した。内容的に苦戦し、さらにはアクシデントでのシステム変更やポジショニングの修正を余儀なくされながらも、粘り強く戦って勝利を収めたという点で浦和にとっては価値ある1勝になった。2年ぶりの3連勝は、ロドリゲス監督の下で浦和が力をつけてきたことの証明だと言えそうだ。