レアルを就任5カ月でCL決勝に導いた英雄ジダン 11度目の欧州制覇で”7人目の偉人”になるのか
ロナウドも心酔するジダンの手綱さばき
ジダン監督はフランス人指揮官として、2005-06シーズンにアーセナルを率いるアーセン・ベンゲル監督以来となるCL決勝の舞台を踏みしめることになった。
今年1月にレアルの監督に就任した時、チームは崩壊の危機を迎えていた。宿敵バルセロナが首位を独走する一方、ラファエル・ベニテス前監督はスーパースター揃いのロッカールームをコントロールできず。背番号10のハメス・ロドリゲスはパトカーと時速200キロのカーチェイスを繰り広げ、練習場に逃げ込む事件も起きた。選手間の不和の報道も飛び交い、国王杯32強ではクラブの不手際により本来出場停止の選手をピッチに送り出し、失格処分となっていた。
だが、ジダン監督がやってきてから事態は一変した。地元紙「AS」によると、ロナウドは試合後に「彼はチームで偉大な仕事を見せている。みんな助け合っている。共同作業なんだ。このまま彼が率いてくれることを祈るよ。監督としても人間としても心酔しているんだ」と語ったという。
ロナウドは先月のビジャレアル戦の終盤にオーバーヘッドを試み、自爆。右太もも裏を痛めた。それまでリーグ戦全試合で先発出場を続けてきた鉄人は強行出場を熱望したが、かつての天才司令塔は許さなかった。公式戦2試合で温存し、この日の大一番にCR7を備えさせた。ベニテス監督との関係悪化が伝えられた世界で最もプライドの高いスーパースターも、ジダン監督には全幅の信頼を寄せていた。