レアルを就任5カ月でCL決勝に導いた英雄ジダン 11度目の欧州制覇で”7人目の偉人”になるのか
崩壊寸前の”白い巨人”を立て直したカリスマ 「すべての選手の尽力に感謝する」
レアル・マドリードは4日、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)準決勝マンチェスター・シティとの本拠地第2戦で、FWギャレス・ベイルがオウンゴールを誘発し、1-0の勝利を飾った。ジネディーヌ・ジダン監督は1月に空中分解寸前のチームの指揮を託され、FWクリスティアーノ・ロナウドが心酔するほど絶妙な手腕を発揮している。5月28日に行われる決勝戦はアトレチコ・マドリードとのダービーマッチになるが、前人未到の11度目(ウンデシマ)のCL制覇に向けて、「優勝候補はいない。拮抗したフィフティ・フィフティだ」と指揮官は語っている。
2年ぶり14度目のファイナルに、”白い巨人”を穏やかなカリスマが導いた。
「苦しんだ。苦しむだろうと予想していたが、最終的に決勝に進出できた。すべての選手の尽力に感謝する」
衛星放送「ビーイン・スポーツ」のインタビューに登場した指揮官は、安堵の表情を浮かべた。看板3トップ「BBC」の一角を担うFWカリム・ベンゼマを故障で欠く苦しい状況だったが、今季終盤戦に覚醒したスピードスターが勝負を決めた。
前半20分、ベイルの積極的な姿勢が均衡を破る。DFダニエル・カルバハルのパスからペナルティエリア右45度に入り込むやいなや、効き足ではない右足でダイレクトシュート。これが相手MFフェルナンドの足に当たって角度が変わると、GKハートの頭上を破って1-0と先制した。
ジダン監督が「クリスティアーノになれる」と、レアルの大エースであるロナウドに並び立てる存在だと期待する教え子は、今季のCLでは無得点だった。この日の一撃も記録上はオウンゴールとなったが、今季序盤に罵声が鳴り響いた本拠地サンチャゴ・ベルナベウはホームチームの先制点に燃え上がり、虎の子の1点を守りきった。