メガクラブを凌駕したレスター戴冠劇に浦和監督も感銘 「何百億円かけても勝てない時は勝てない」
ペトロヴィッチ監督も称賛 「サッカーの世界ですごく良いこと」
Jリーグで首位を走る浦和レッズのミハイロ・ペトロヴィッチ監督も、プレミアリーグを制したレスター・シティの戦いに感銘を受けたことを話した。そして、サッカー界を取り巻くビッグマネーについての懸念も同時に話している。
指揮官は「サッカーの歴史の中でもビッグサプライズではないでしょうか」と切り出すと、数百億円規模の補強を行う強豪クラブが増加するサッカー界について語った。
「お金をそこまで投資しなくても勝てるということを示したのは、サッカーの世界ではすごく良いことではないでしょうか。何百億円をかけてチームを作っても、勝てない時は勝てないものです。モウリーニョさんもそうでしたね。私自身は、今のサッカー界はどんどん大きくなっているから、いつかこの世界が壊れてしまうのではないかと心配しています。やはり、ある程度のところでやり繰りしていかなくては、サッカーの世界はうまく動いていかないのではないかとも思っています」
欧州を中心にして中東や中国にも波及している“サッカー・バブル”の崩壊に対する懸念を話した。浦和もJリーグ内では収入の多いクラブだが、その年間予算はAFCチャンピオンズリーグで対戦した広州恒大(中国)の1割程度。対戦時には「ジャクソン・マルティネス選手を獲得するのに必要な費用とほぼ同じだ」とも話していた。
そうした流れの中に一石を投じることにもなり得るレスターの優勝に、攻撃サッカーを愛する指揮官は笑顔で祝福の言葉を話していた。
【了】
轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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