「ゲームの質は貧しくなった」 元伊代表カンナバーロ、伊サッカーの“停滞”に危機感
資本流入や代表には希望 「成長の余地が多くある」
元イタリア代表のセンターバックとして活躍し、現在は中国1部広州FC(昨年まで広州恒大)の監督を務めるファビオ・カンナバーロ氏は、イタリアサッカー界が世界のトップから遅れているとした上で、逆説的に資本流入を招いているとイタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」のインタビューで語っている。
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カンナバーロ氏は、監督業と並行してFIFAマスターを受講していることを明らかにしている。その上で、イタリアサッカー界、特にセリエAについては「今やヨーロッパで悪いうちの1つになってしまった。スター選手がキャリアの最後を過ごすようなことになっている。若手選手にフォーカスせず、ゲームの質は貧しくなってしまった」と、かなり否定的な言葉を並べた。
一方で、そのことは「伸びしろ」と捉える向きがあり、それが近年の米国や中国など外国資本の流入につながっているという考えを話している。
「ACミランのイヴァン・ガジディスが語った、逆説的に言えば、今のイタリアサッカーには成長の余地が多くあると捉えられるということ。それに私は納得している。不動産系列など多くの資本は、この理由で投資を行っている。私たちに希望を与えるのは、モダンなスタイルの美しい代表チームがあること。恐れることなく自分たち自身を表現することができる。彼らはまだ予選しかプレーしていないが、欧州選手権やワールドカップで主役になれる力があると確信している」
現実的に、セリエAを見ればリーグの顔は、ユベントスのエースである36歳のポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドであり、ミランのエースである39歳のスウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチだという側面がある。イブラヒモビッチのようにクラブにおいて若手の成長を助けるベテランという存在価値はあるものの、カンナバーロ氏の指摘も1つの事実だと言えるだろう。
イタリアサッカーは、この「伸びしろ」と捉えられた投資を得て未来志向で復活することができるのか。伝統と格式を持つリーグだけに、ポテンシャルは十分にあると言えるはずだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)