日本の若手は「ミスを恐れない」 J初参戦の韓国代表MF、G大阪の初練習で驚き
驚かされた日本の若手の姿「韓国は練習中にミスするのを恐れる傾向があります」
日本に来てから約1カ月が過ぎたが、すでにチームメートとはかなり溶け込んでいるようだった。
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「ほとんどの日本の選手たちが、アンニョンハセヨ(おはよう)、カムサハムニダ(ありがとう)、チャルモッケスミダ(いただきます)など韓国語で会話してくれるので、ものすごく馴染んでいます。あとは、韓国語で『右、左、後ろ』、『大丈夫』を韓国語でどう言うのかなど、プレー中に交わす言葉も聞いてくれるので、すごくやりやすい。僕も日本語は結構、勉強してきたんですけれど、言葉の心配はなくなりましたよ」
それは過去に、G大阪でプレーした韓国人選手の影響を感じるという。
「ガンバ大阪にいる(キム・)ヨングォン先輩はもちろんそうですし、過去には(ボルドーのファン・)ウィジョや、(仁川ユナイテッドのオ・)ジェソクもプレーしていたので、チームメートが韓国人選手とのコミュニケーションにすごく慣れていると感じました」
新加入選手を迎え入れるチームの雰囲気が良く、サッカーに集中できる環境にあるのは、外国籍選手にとってありがたいことだろう。
チュ・セジョンは、初めてG大阪のチーム練習に参加して、一つ驚いたことがあったという。それは「ミスを恐れない姿勢」だ。
「韓国は練習中にミスするのを恐れる傾向があります。でも、日本の選手はミスをしても、次も恐れずに挑戦する。何度もチャレンジしていいプレーができればいいという気持ちでプレーしているので、それは見ているこちらがすごく気持ちいいです」
韓国人選手はフィジカルが強く、どのようなプレーにも果敢にチャレンジするイメージがあったのだが、「もちろん、ベテランの選手はそうではありません」と前置きしたうえで、「特にKリーグの若い選手です。プレーでミスが出ると『次にまたミスしたらどうしよう』という姿勢が見えます。でも日本の若い選手たちはそうでないように思いました。ガンバ大阪で言うと、FWの唐山翔自選手や川﨑修平選手。彼らの練習中から見える思いきりの良さは、自分も刺激になっています」と語る。
30歳を超えてもなお、若手から学ぶ努力を怠らない。いつまでも向上心を持てるのが、チュ・セジョンの強みなのかもしれない。
(金 明昱 / Myung-wook Kim)
金 明昱
1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。