歴史的圧勝で「最も驚かされた選手」は? 日本代表「モンゴル戦出場16人」を金田喜稔が採点

W杯予選での歴代最多得点記録を更新する14-0の完勝を収めた日本代表【写真:高橋 学】
W杯予選での歴代最多得点記録を更新する14-0の完勝を収めた日本代表【写真:高橋 学】

W杯予選歴代最多となる14-0の圧勝、先制点の南野は「感性を取り戻した」

 日本代表は30日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のモンゴル戦に臨み、W杯予選での歴代最多得点記録を更新する14-0の完勝を収めた。新型コロナウイルスの影響で中断していたW杯予選の再開戦はモンゴルのホームゲームであるものの、社会情勢から日本のフクダ電子アリーナでの無観客試合となり、異例の状況下で森保ジャパンは歴史的なゴールラッシュを演じた。

 実力差のある相手だったとはいえ、貫録を見せつけた日本の戦いぶりを識者はどのように見たのか。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した全17選手を5段階(5つ星が最高、1つ星が最低)で評価。「日本代表のステージが一つ上がった」とチームとしての戦いぶりを称えるなか、ハットトリックのFW大迫勇也(ブレーメン)とA代表デビュー戦で多くのゴールを演出したDF松原健(横浜F・マリノス)に最高評価を与えた。

   ◇   ◇   ◇

<FW>
■大迫勇也(ブレーメン/→後半32分OUT)=★★★★★

 所属するブレーメンでFWとして出場できないなど、いろいろな部分での苦労があるなかで、先日の韓国戦ではセンターフォワードとして「さすが」というプレーで2アシストをマークした。そして今回、相手がモンゴルだったとはいえ、代表戦で初のハットトリックを達成したというのは本人にとっても大きいし、文句なしの5つ星だろう。後半23分の稲垣のゴールを導いたキープからのアシストでも、持ち味を発揮してくれた。

<MF>
■南野拓実(サウサンプトン/→後半26分OUT)=★★★★

 南野が先制点を奪うというのは、今や日本代表が勝利するゲームにおける“方程式”として定着したと言えるかもしれない。立ち上がりから積極的にシュートを放ってチーム全体にリズムを生み、先制点で勢いをもたらす。今季はリバプールで思うように試合に出られなかったが、冬にサウサンプトンに移籍して出場機会が増えたことで、ゴール前での感性を取り戻したようだ。得点シーンはまさにその典型で、南野らしいボールの持ち方から、ここにボールを動かしたら相手DFがどんなポジショニングを取り、このコースが空いてくるという冷静な判断が窺えた。W杯予選5試合連続ゴールというのは素晴らしい記録。トップフォームとは言えないが、南野らしさは確実に戻ってきている。左サイドだろうが、トップ下だろうがメンバーから外せないというプレーを見せてくれた。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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