「非の打ちどころがない」 英記者、“14点圧勝”を称賛も疑問点指摘「欧州組は必要?」
日本代表がモンゴルに14-0と歴史的大勝、欧州組を大量招集する必要はあったのか
日本代表は30日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のモンゴル戦に臨み、W杯予選での歴代最多得点記録を更新する14-0で完勝した。歴史的なゴールラッシュを演じた森保ジャパンを、海外記者はどのように見たのか。かつてAFC(アジアサッカー連盟)の機関紙「フットボール・アジア」編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、20年以上にわたってアジアサッカーを追う英国人記者のマイケル・チャーチ氏は、「非の打ちどころがない試合」と称える一方、コロナ禍において欧州組を大量招集する必要があったのかと疑問の声を上げている。
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容赦なき効率性で、日本は2022年カタールW杯アジア最終予選選出に一歩近づいた。
森保一監督が率いるチームは、これまで選手起用に関する手堅すぎる方針から、特に格下相手の攻撃面におけるセンスの欠如を批判されてきた。
だがこの日、千葉のピッチに立った日本代表はそのレッテルを剥がした。モンゴルからやってきた勇敢なセミプロ軍団を圧倒し、非の打ちどころがない試合となった。
14得点で圧勝したチームをどう分析すればいいのだろうか。相手は枠内シュート1本放つのが精一杯なのに……監督は今回に限っては、批評家やアナリストを失職させようとしたのかもしれない。
格下相手の試合は当然、戦術や選手起用で冒険できるチャンスとなる。すでに前半で試合を決めていたので、システム変更を期待していたが、後半に1ボランチに変えた程度だった。
後半26分から出場したヴィッセル神戸MF古橋亨梧は、後半の主役となった。すでに疲労困憊の相手にスピードと脅威を与え、活躍した。2得点に加え、ゴールにも絡んでいた。大迫勇也は前線に君臨し、南野拓実の先制点はこのプレーメーカーに自信を与えたに違いない。鎌田大地は今回の2試合で輝き、ポジションを手中に収めようとしている。
唯一の疑問はこのインターナショナルブレークの2試合で、パンデミックの最中にヨーロッパから日本での試合にわざわざ呼び戻すべきだったのか、ということになるだろう。
日韓戦でのパフォーマンスは感銘的で、日本はモンゴル戦で容赦なかった。だが、韓国戦は親善試合に過ぎない。そして、モンゴル戦はJリーグのタレントで構成したチームでも圧勝できただろう。
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。