J2金沢、異例の“アパレルショップ戦略”の意味 クラブへの「入口をどう作るか」
「これほど売れるのなら新しい商品をもう少し投入していれば…」
――新型コロナウイルスの影響でアパレルブランドが軒並み実店舗を減らしていく時代に、期間限定ではありますがショップをオープンするのは難しい決断だったのかなと思います。
「でもヒュンメルさんと一緒にスタートする、このタイミングでやることに意味があると考えていました。世の中の状況を考えると逆境ではありましたが、やっぱりタイミングが重要でした」
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――テナントが入った場所は入口を入ってすぐ正面の「超一等地」でした。金沢市内の中心街のなかで、さらなる好立地という場所をどうやって見つけたんですか?
「昨年12月6日に片町きらら前の広場でパブリックビューイングをやらせていただきました。ちょうどそのときにショップの場所を探していて、実はほかの場所も検討して見積もりなんかも取っていたんです。でもパブリックビューイングのときに片町きららに期間限定っぽいテナントが入っていたので、すぐに担当者と相談しました。そうしたら金沢市の補助金を使えばテナント料はかからず、什器代の補助も少し出る。そのほかにもコスト面で有利な条件があったので、話を聞いたときにほぼ即決という感じでした。1週間ぐらいでヒュンメルさんの意向を確認して、社内の了解をとって、そこから2月上旬のオープンに向けて一気に準備をしたという感じです」
――1カ月間の販売で売り上げはいかがでしたか?
「最初に立てていた目標は達成しました。シーズン開幕前の2月というのは、普段はユニフォームのオンライン販売ぐらいしかなかったんですけど、ある程度まとまった金額の売り上げがあったのは良かったです。これほど売れるのなら新しい商品をもう少し投入していればよかったなという反省点はありますね。それに低価格帯のものをもっと入れておけばよかったなとも思います。せっかくツエーゲンに関心のない人が店に入ってきてくださって『かわいいね』って羽織ったりしてくれたんですけど、お値段的には気軽に買えるものが少なかったんです。売り上げとしてはそんなに大きなインパクトではないですけど、小物とか雑貨があれば興味を持ったほうが手に取って買っていただくことができたかなと思います」
――それも実店舗を出したからこそ分かったことですよね。
「そうですね。正直、思った以上に反響が大きくて、購入にはつながっていないんですけど、『これってツエーゲンがやっているんだ』と言ってくれる方が多くいたのは良かったです」