日韓戦完勝も「致命傷になりかねない」 日本代表「韓国戦出場17人」を金田喜稔が採点

DF山根視来(川崎フロンターレ)【写真:Getty Images】
DF山根視来(川崎フロンターレ)【写真:Getty Images】

代表デビュー弾の山根は「川崎でやっていることをそのままピッチで表現した」

■佐々木翔(サンフレッチェ広島/→後半21分OUT)=★★★★

 守備面での安定感をしっかりと見せてくれた。球際のフィジカル勝負でも相手に負けず、最終ラインの一角として無失点勝利に貢献した。一方、攻撃面では左サイドハーフに中へ絞ることの多い南野が入ったため、タッチライン際の空いたスペースをより効果的に使いたかったし、守備時に南野が相手の右サイドバックを空けた時、周囲との連係でどのようにマークをずらしていくのかという部分に課題を残した。もちろん、これは佐々木自身の問題というよりも、左サイドのバランスを考えた時の起用法の問題。連係面での難しさを感じさせたが、佐々木自身のパフォーマンスは悪くなかった。

■冨安健洋(ボローニャ)=★★★★★

 空中戦でも地上戦でも危ないシーンはほとんどなく、韓国にシュートらしいシュートを打たせなかった。イタリアでの充実ぶりがこの日のパフォーマンスにもしっかりと表れており、安心して見ていられた。状況判断もビルドアップも的確で、22歳ながら不動のセンターバックとしての貫禄を示した。

■吉田麻也(サンプドリア)=★★★★★

 試合前から若い世代の選手に日韓戦の重要性を伝えたいと語っていたとおり、序盤から気迫のこもった守備を見せた。ディフェンスリーダーとして最終ラインを統率し、対峙したイ・ガンインも封殺。この日の韓国に物足りなさがあったとはいえ、チーム全体をメンタル面でも牽引し快勝に導いた。

■山根視来(川崎フロンターレ)=★★★★★

 何よりもデビュー戦で1点を取ったことが大きい。川崎でやっていることをそのままピッチで表現した印象で、湘南でストッパーの経験もあることから、相手の当たりにも動じず、最後のところで足を伸ばしたタックルも出せるなどディフェンスにおいても計算ができる。また右サイドハーフにどんなタイプのアタッカーが入っても柔軟に対応できるのも魅力で、この日も伊東との縦関係のなかで状況に応じたポジションを取り、それが先制点のシーンにもつながった。今後も継続的に見てみたい選手だ。

<GK>
■権田修一(清水エスパルス)=★★★★★

 集中力を保ち無失点勝利に貢献。ディフェンスラインとの連係も含めて、すべてのシーンで落ち着きがあった。ビルドアップでも、バックパスを受けてからワンタッチで遠藤や守田、下がってきた鎌田に直接出すようなシーンもあり、今季清水に新天地を求めたなかでGKとしてチャレンジし続けている姿勢が垣間見えた。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング