“金メダル候補”から受けたレッスン 「U-24アルゼンチン戦出場15人」を金田喜稔が採点
失点シーンでマークを外した渡辺剛、ビルドアップ時の課題も指摘
<DF>
■旗手怜央(川崎フロンターレ/→後半21分OUT)=★★★
三笘との川崎ラインで左サイドでコンビを組んだが、周囲とのコンビネーションの関係で所属クラブのようにはできない部分もあっただろう。それでも前半17分には、敵陣左サイドで久保との連係から抜け出すシーンを作るなど持ち味は見せていた。守備面で後手を踏むシーンがあったものの、もう少し長くプレーを見てみたかった。
■板倉 滉(フローニンゲン)=★★
複数ポジションをこなせるなど能力の高い選手であり、この代表では軸となるべきDF。それだけに失点シーンでは相手の縦パスに対してバルガスと同時スタートだったものの、相手に体をぶつけられてバランスを崩してしまいアシストを許した。全体的には悪くないプレーだったが、局面での守備にもう少ししつこさがほしいのと、ビルドアップでより存在感を発揮してほしかった。
■渡辺 剛(FC東京)=★★
個人的に期待しているセンターバックだが、失点シーンでは左サイドを突破してくるバルガスのカバーリングを意識しすぎてガイチを完全にフリーにしてしまった。高さなどでは持ち味を発揮した一方、ビルドアップ時のポジショニングや判断に課題。バックパスを受けた時、サイドを変えようにも体の向きを作れておらず、そのまま相手が密集する同サイドに戻すシーンがあった。もう少しスムーズに、相手をスライドさせるようなビルドアップをしたかった。
■菅原由勢(AZ)==★★★
目立って悪い部分はなかったものの、アルゼンチンの強さ、厳しさ、迫力のなかでルーズボールが相手に渡ってしまうような、上手くいかない部分を感じていたように見えた。失点シーンでは逆サイドの選手をケアしていたため、ガイチに対して遅れて飛び込んでいる。下手に体をぶつけてもファウルを取られる危険性もあり、チャレンジできなかった。
<GK>
■大迫敬介(サンフレッチェ広島)=★★★
ガイチに許した1点は、もちろんGKにもセーブできる余地はあったかもしれないが、あれだけゴール前でフリーでヘディングシュートを打たせてしまった以上、責めるわけにはいかないだろう。的確な守備を見せるシーンや足下も安定しており、この経験を次戦に生かしたい。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。