“金メダル候補”から受けたレッスン 「U-24アルゼンチン戦出場15人」を金田喜稔が採点

果敢にチャレンジし続けた久保「仕掛けていく姿勢は素晴らしかった」

■久保建英(ヘタフェ)=★★★★

 ギリギリのところでボールを取られたり、体をぶつけられてドリブル突破を食い止められる部分には、まだひ弱さを感じるものの、アルゼンチンを相手にしても怯むことなく前を向けるしボールコントロールも正確。相手も相当近い距離で激しくタックルに来ていたなかで、何度も果敢に仕掛けていく姿勢は素晴らしかった。もちろん、後半35分の右足シュートや直接FKを枠に飛ばしてほしかったというのはあるが、南米の強豪相手だろうと積極的にボールを受けてリズムを作った点は評価したい。

■三好康児(アントワープ/→後半42分OUT)=★★★

 後半29分に右サイドからカットインし、左足で逆サイドへ送ったクロスなど、対峙したマーカーをかわして自らのイメージするプレーを表現できるシーンを作っていた。それだけに特に前半、日本が左サイドで数的不利で苦しんでいる時間帯に、「もっとこっちに回せ」という要求をしてほしかった。ベルギーでプレーし、そういう戦術眼も持っている選手だからこそ、もっとチーム全体に声がけをするような姿に期待したい。

■中山雄太(ズウォレ)=★★★

 前半が終わった時に味方と修正点を話し合う姿を見せるなど、キャプテンとしての振る舞いができる選手。A代表としてもすでにプレーしているだけに、そのあたりは頼もしい部分だ。ただボランチとしては、もう少し攻撃の起点となる縦パスや、チーム全体をスピードアップさせるスイッチを入れるような配球がなかった。プレーで攻守を引っ張る姿に期待したい。

■渡辺皓太(横浜F・マリノス)=★★★

 ボールさばきが上手い選手で、前半6分の最初のチャンスではゴール前に飛び込んだ。だがその後は、久保がサイドに流れた時などに前方にスペースが空いていても、相手の守備のズレを誘うような効果的な飛び出しがなかった。特に後半は1点を追う展開だっただけに、攻撃のところでもう少しリスクを負ってでも前に出てほしかった。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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