韓国には「絶対に負けてはいけない」 元日本代表MF福西崇史が語る日韓戦の“重み”
日常が戻ったら定期的に日韓戦をホーム&アウェーで実施してほしい
25日の日韓戦を戦う両国の選手たちにも、そうした気持ちや伝統的な側面は持ち続けてほしいところです。ただし、今回の試合はコロナ禍という特殊な状況で行われます。日本代表が国内で試合をするのは、2019年11月19日のベネズエラ代表との親善試合(1-4)以来。さらに30日にはW杯アジア2次予選のモンゴル戦を控えているため、非常に難しい状態だと思いますが、逆に「国際試合を戦うぞ」というスイッチを入れるには、絶好の機会になるでしょう。それだけに両国がどのような姿勢、どのような目の色で、最大のライバルとの試合を戦うのかは、楽しみでもあります。
いずれにしても、新型コロナウイルスが落ち着き、国際Aマッチが普通に開催できる日常が戻った時には、定期的に日韓戦をホーム&アウェーで実施してほしいです。ホームで戦う日韓戦と、アウェーで戦う日韓戦では、体感が全く違います。ホームゲームでは、勝たなければいけないプレッシャーもありますが、ファン・サポーターの後押しがあります。しかしアウェーゲームになると、真逆になり、ブーイングを浴びます。選手がホーム&アウェーの経験を積むうえでも、非常に大きな意味があるのです。
日韓戦のアウェーゲームの圧力は、とんでもないものがあります。そんなに激しくない接触でも、ファウルをした瞬間には、イエローカードが出ないとおかしいのではないかというくらいの反応があります。なんともないピンチでも、例えばフワッとしたクロスがゴール前に上がっただけでも、ものすごいチャンスになったかのような雰囲気になります。相手の圧力プラス会場の圧力が加わってくる。これは他の試合では、なかなか経験できない感覚です。
今回はコロナ禍でファン・サポーターがスタジアムを埋めることは難しいと思いますが、今後も定期的にホーム&アウェーで日韓戦を行い、選手たちに経験を積ませることも、一つの強化手段になるでしょう。日韓戦を経験すれば、ほとんどの試合に怯むことはなくなるはずです。
[プロフィール]
福西崇史/1976年9月1日生まれ、愛媛県出身。95年にFWとしてジュビロ磐田に加入すると、プロ入り後にボランチへコンバートされ黄金時代を迎えたチームの中盤を支えた。J1通算349試合62得点の成績を残し、Jリーグベストイレブンも4度受賞。日本代表としても国際Aマッチ64試合7得点を記録し、2002年日韓大会、06年ドイツ大会とワールドカップに2度出場した。04年アジアカップでは優勝を経験している。3月25日の日韓戦ではリアルタイムスポーツ実況アプリ「GayaR」(ガヤール)で、ボランチに特化した解説「ボランチゼミナール」を実施する。
■「GayaR (ガヤール)」概要
[対応]
iOSアプリ、Androidアプリ、ブラウザ(PC/スマートフォン)
[URL]
[ftp_del] https://www.gayar.net/lp/[/ftp_del]
■「ボランチゼミナール」概要
福⻄氏が試合中継を見ながら「ボランチ視点」で解説する新しい取り組み。「ボランチが分かれば、サッカーがより分かる」という視点で、試合がどう動いているのか、選手が何を考えているのか、福西氏がピッチに立っていたらどんな選択をするのかなどを、分かりやすく話していく予定だ。福西氏の音声解説に対して、視聴者はチャット機能を使って質問ができるなど、双方向のコミュニケーションも可能。第1回として3月25日19時20分キックオフの「日本代表×韓国代表」の一戦で実施する。
(河合 拓 / Taku Kawai)