本田との直接会談を明かしたミラン監督 「彼の知性は重要なもの」とプロ意識の高さを絶賛
本田のトップ下起用についても言及
ブロッキ監督の就任後、本田は2試合出番がなかった。初陣となったサンプドリア戦ではトップ下にボナベントゥーラを起用。続くカルピ戦ではボランチの人手不足からボナベントゥーラを一列下げ、MFケビン=プリンス・ボアテングをトップ下で起用した。
その試合でボアテングが低調なパフォーマンスに終始。またトップ下一番手の地位にあるボナベントゥーラが故障したため、前節ベローナ戦で本田に先発のチャンスが巡ってきた。先制点につながるミドルシュートを放ったものの、チームはセリエB降格の決まった格下に逆転負け。危機的な状況にあるチームのなかでボナベントゥーラはまだ戦列に復帰できず、本田に頼るしかない状況だ。
本田の起用法について質問された指揮官は、笑みを浮かべてこう答えた。
「本田は右サイドのラインでプレーしていた。彼はそのポジションに慣れたと言われていた。そして、賢い選手だから、そのポジションができると言われていた。実際にピッチでもいい表現をした。しかし、そのポジションに順応したまでのことだ。
本田は日本で、司令塔でプレーしていた。トップ下で、だ。だが、本田を司令塔でプレーさせた途端に、『ブロッキ、なぜだ?』『サッカーが分かるのか?』『本田を司令塔に? 嘘でしょ?』と言われる。常に人はそれぞれ、自分の考えを持っている。本田を右サイドで起用することにネガティブな考えだったのが、今度、司令塔でプレーさせたら、本田のポジションは右サイドだと言う、では、 みんなの考えはどうか? 僕は本田は右サイドでもプレーできるし、司令塔でもプレーできると思う。彼のサッカーにおける知性は重要なものだから」
今季1得点3アシストの本田の起用法に関しては様々な異論が寄せられ、ブロッキ監督の見識を疑うような質問もされているという。格下相手の3試合で1勝1分1敗という結果に加え、低調な内容によってサポーター、メディアから大バッシングを受けているブロッキ監督だが、日本代表で長くプレーし、「自分の家」と語るトップ下に強烈なこだわりを持つ本田の適性に期待していた。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images