「最も大切な試合」 吉田麻也、“日韓戦”が持つ意味を次世代へ「伝えられていない」
吉田が10年ぶりに開催される韓国との親善試合への思いを口にした
森保一監督率いる日本代表は24日、国際親善試合・韓国戦(25日/日産スタジアム)に向けて合宿3日目を迎えた。韓国戦を前日に控えたこの日、主将のDF吉田麻也(サンプドリア)は、宿敵に対して「日本代表で戦う以上、最も大切な試合」と熱い闘争心を露わにした。
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淡々と、だが燃えたぎる思いが確実に伝わってきた。吉田にとって韓国戦は特別だ。2012年のロンドン五輪、オーバーエージ(OA)で出場した吉田は、メダル獲得がかかった3位決定戦で敗戦。A代表としては2011年に行われた国際親善試合以来、10年ぶりの対戦となる。「楽しみにしていた」という吉田は、韓国と対戦する“重要性”を語った。
「日本代表で戦う以上、最も大切な試合だと思う。どの試合も代表戦は大事だと思うけど、それくらい韓国と対戦するのは大切なことで、絶対に勝たないといけない。韓国もそう思っていると思う。(親善試合では)10年ぶりということで、前回のメンバーは僕や権田が一番若くて、他の選手は(親善試合では)今回が初めてだと思う。練習からいかにこの対戦が日本代表にとって大切かを伝えないといけないと思うし、プレーで見せたい」
10年前、札幌で行われた親善試合ではMF香川真司の2ゴールとMF本田圭佑の得点で3-0の快勝を収めた。今回の日本代表メンバーで出場したのは吉田だけ。初招集の選手も多いなか、若い世代へ伝えなければいけないことがあると感じている。
「歴史的にライバル国であること。あくまでスポーツ的にライバルチームだし、個人的に言えば韓国にロンドン五輪で負けた時には本当に悔しくて、二度と負けたくないと思った。長く(親善試合では)韓国戦をやっていなかったし、僕が子どもの時に見ていて、バチバチに(W杯)予選で戦うということはやってない。僕は、日韓戦の重要性や勝たなければいけないと上の世代から伝えられてきたギリギリの世代だと思う。10年という期間が空いてしまっただけに伝えられていないという危惧もある。それをスタッフとも話しているし、メディアを通じてでも20代の選手たちに、この試合の意味を理解してほしい。みんなが韓国戦の重要性に気づいて意識を強く持ってもらいたい」
吉田自身、ライバルに負けてはいけないと先輩から思いを受け継いできた。日の丸を背負うという決意だけではない、熱い思いを持たなければいけないと考える。
「絶対に負けられない、絶対に勝たなければいけない試合。今の時代にそぐわないかもしれないけど、足が折れても、体が壊れてもぶつかっていかなくてはいけないという表現を少し前はよくしていた。下の世代にそういう表現で伝えるのが合っているか分からないけど、確実に意識してほしいのはキャリアの中で一番大事な試合になるんだよということ」
A代表のキャリアをも揺るがす一戦――。主将は、ピッチ上で、ピッチ外で、プレーで表現し、日本中の選手たちへ伝える覚悟だ。
(FOOTBALL ZONE編集部)