韓国代表GK、“Jリーグ進出”の先駆者が貫く覚悟 「助っ人としての使命を担っている」
C大阪GKキム・ジンヒョンが語る、韓国代表への思いとベテランとして過ごす日々
[ftp_del] 【第1回】「日本サッカーの環境に感謝」 C大阪一筋13年、韓国代表GKが語るJリーグへの愛着
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【第3回】「セレッソで現役を終えたい」 韓国代表GKが胸に抱く“クラブ愛”と恩師への感謝[/ftp_del]
2009年にセレッソ大阪でプロデビューした韓国人GKキム・ジンヒョンは、今年で在籍13年目のシーズンを迎えた。他のリーグを経験したこともなければ、他のJクラブでもプレーしたことがない“セレッソの男”は、なぜこの地でプレーし続けるのだろうか。近年のJリーグにおける“韓国人GKブーム”の先駆者とも言える守護神は、自身のキャリアを振り返りながら、トップレベルで戦い続ける難しさや韓国代表のことなどについて語ってくれた。(取材・文=金明昱)
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192cmの長身はやはり目立つ。ゴール前に立てば、その体格が相手のプレッシャーにもなる。ただ、“デカい”だけではない。安定感抜群のシュートストップ、至近距離からのシュートにも素早い反応を見せる。ハイボールやクロスボールの守備範囲も広い。
もちろん、韓国代表でもその高い能力は発揮され、2015年アジアカップや2018年ロシア・ワールドカップ(W杯)のメンバーに選ばれている。
セレッソ大阪一筋とはいえ、2016年のオフには複数年契約が切れるタイミングで、KリーグのFCソウルやJリーグの鹿島アントラーズから正式オファーが届いていたというニュースも報じられていた。
「その話も公式に私の下にオファーの話が直接届いたわけではないんです。本当に私の耳にそうした移籍の話が届いていたならば、考える余地はあったと思いますが、気持ちが揺れ動くとか、そういうこともありませんでした」
また、代表チームに合流した時に、チームメートと移籍に関する話をしたこともあったが、周囲はこんな印象を抱いていたという。
「最初、セレッソに4~5年目くらいの時は、『まだ日本でプレーするの?』と聞かれたりはしました。その時はチームが必要としてくれるなら、セレッソでプレーすると答えていたんです。でもそれ以降もセレッソにいると、そんな話も聞かれなくなりました。聞かなくても『ジンヒョンはセレッソの選手』という認識、暗黙の了解のようなものがチームメートにはあったみたいです(笑)」
韓国代表選手の間でも、キム・ジンヒョンは“セレッソの男”というのが共通の認識だそうだ。
金 明昱
1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。