手倉森Jにも8人を送り出してきた”タレントの宝庫”東京V リオ&東京五輪を狙う注目選手とは

ベールを脱ぐ東京五輪世代の逸材アタッカー

 

 実家が東京ヴェルディの練習グラウンドの近所という縁もあり、幼稚園の頃からスクールに通って緑のジャージを着てプレーしてきた。小学4年であらためてジュニアチームに加入してから一貫してヴェルディ育ち。個人技術の向上とパスサッカーを重んじるクラブの指導方針のもと、ドリブルよし、パスよし、シュートよしの3拍子が揃った攻撃的なオールマイティーの選手へと成長した。

 小柄だが、だからこそ持ち得た敏捷性で敵の網をかいくぐって、ゴールへと突き進んでいく。パッと見の印象は非常に大人しい高校生。チームでも“じゃがいも”の愛称を授けられるほど純朴な青年だ。だが、ひとたびピッチに立つと、切れ味鋭いターンでプロの選手を振り切り、ボールを引き出しながらゴールへと突き進んでいく。

 9節が終わった時点で2勝3分4敗と不振にあえぐチームは、フレッシュな力を入れて巻き返しを狙うため、4月29日に行われた第10節のザスパクサツ群馬戦で渡辺を試合登録メンバーに抜擢した。出場こそなかったものの、ヴェルディは過去にも多くのユース所属の高校生をプロデビューさせてきた実績がある。最近では2012年に中島翔哉が最年少ハットトリックの記録も樹立。2013年には高木大輔が2種登録のみならず高校3年生でプロ契約も締結した。

 このゴールデンウィークに予定されているJリーグの連戦は、どのチームにとっても総力戦となる。東京五輪世代屈指の逸材が、全国に向けてそのベールを脱ぐ時が来た。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

 

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