「日本サッカーの環境に感謝」 C大阪一筋13年、韓国代表GKが語るJリーグへの愛着
C大阪GKキム・ジンヒョンが語る“セレッソ愛”とJリーグ
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2009年にセレッソ大阪でプロデビューした韓国代表GKキム・ジンヒョンは、今年で13年目のシーズンを迎えた。他のリーグを経験したこともなければ、C大阪以外のクラブでプレーしたことがないのは誰もが知るところ。これまでのJリーグの歴史の中で、これほど長く同じチームに在籍した韓国人選手はキム・ジンヒョンしかいない。
今年で34歳になるベテランだが、2021年のJ1リーグ開幕戦(対柏レイソル/2-0)でスタメン出場すると、ここまで全試合にフル出場。今季8年ぶりに指揮を執るレヴィー・クルピ監督からの信頼も厚く、チームの守護神として活躍が期待されている。
それにしても、なぜキム・ジンヒョンはJリーグ、しかもセレッソ大阪一筋なのか。韓国代表にも呼ばれる実力を持ちながら、他のリーグやクラブで挑戦したいと思ったことはなかったのだろうか。今まであまり語られてこなかった、キム・ジンヒョンの素顔と本音をのぞいてみたい。(取材・文=金明昱)
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「セレッソに来て今年で13年目ですが、ここまで本当に早かったですよ」
フーッと深く息をはき、キム・ジンヒョンは日本でのさまざまな出来事を頭の中で思い巡らしていた。
「セレッソではリーグ戦をこなし、代表チームにも行ったり来たりしながらも、そこに照準を合わせて必死にやってきましたから。代表から招集がかからなくなり、Jリーグに集中できるようになってからは少し余裕ができましたが、本当に2年前まではすごくバタバタしていた記憶しかありません。スケジュールがものすごくタイトでしたから」
2009年から20年まで、J1では285試合、J2では113試合も出場し、C大阪のゴールマウスを守ってきた。これだけの出場試合数に加え、11年から19年まで代表にも呼ばれていたのだから、時が過ぎるのが早いと感じるのは当然かもしれない(※3月25日の日本戦に向けた韓国代表に招集)。
これだけ在籍期間が長いと、Jリーグやクラブの環境の変化に対して感じることも多いだろう。
「私が来た当初と比べると、クラブの環境面がすごく変わりました。もちろん、それは良くなったという意味です。Jリーグは認知度が高く、人気もあります。リーグで戦う時もすごくいい環境でやっているなと、いつも感じます。それに合わせて、選手も良いパフォーマンスを出せますし、全体のレベルも上がります。自分自身もしっかりと努力をしてきたから、ここまで来られたのだと思います。もちろん、すべてに満足はしていませんが、選手としてはすごく充実した日々を送ってきたと思います」
金 明昱
1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。