熊本訪問でかわした浦和勝利の約束 李と槙野が抱く被災地への思いと使命感
名古屋に4-1快勝で首位キープ オフ返上で被災地に向かった李と槙野が活躍
オフを返上して熊本を訪問した男たちが、結果で思いを届けた。29日の浦和レッズ対名古屋グランパスの一戦は、4-1で浦和が勝利した。1-1で迎えた後半11分に、MF李忠成が決めた左足のボレーシュートが決勝弾になった。
24日に行われた前節川崎戦に1-0と勝利した翌日、大分県出身のGK西川周作を中心に、熊本出身のGK大谷幸輝、DF槙野智章、MF李忠成の4人が、チームのオフを返上して「平成28年熊本地震」で被災した熊本県に向かった。現地では子どもたちとサッカー教室を行い、避難所を訪問する活動もしていた。それから4日後、彼らの本分とも言えるサッカースタジアムのピッチで躍動した。
決勝ゴールの李は、「熊本に行ってから、子どもたちのパワーというものを感じましたね。常に前を向いて、将来を見据えて、元気がある。本当に、辛いなかでの元気があるなと感じた。そうしたなかで、サッカー選手として僕ができること。浦和レッズが勝って嬉しい、僕が点を取って嬉しいという話が出ることで、彼らにも元気が出ると思う」と、活動を通して触れ合った子どもたちに思いをはせて語った。
李は子どもたちに対して「点を取って勝つから見とけよ、と彼らとも約束をした」のだという。そして、その思いを彼の定番となっているゴールパフォーマンスに込めていたのだという。
「辛いと思うけど、君たちは一人じゃない。僕たちは遠い埼玉からでも、いつもいつも君たちのことを思っているから、という話をしたので、今日はそういう思いを届けられて、弓矢に乗せられて良かった」
李は晴れやかな笑顔で語り、遠く熊本の子どもたちとの絆を噛みしめていた。
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