サポーターとの関係性に変化も 現役JリーガーがSNSを積極活用する理由
YouTube、Twitter、Instagram、Clubhouse…SNS活用の先に見据えるモノ
横浜FCのGK六反勇治は現役選手として活躍するその傍ら、昨年6月に自身のYouTubeチャンネルを開設するなどSNSによる活動にも力を入れている。ファン・サポーターとも密接につながることのできるSNSは、今やサッカー選手をはじめとしたアスリートにとっても必須ツールの一つとなっているが、現役選手が発信することの意義はどこにあるのだろうか。(取材・文=石川 遼)
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六反はTwitterやInstagramなどの定番のSNSだけでなく、今年に入って一気に流行が加速している音声SNSのClubhouseを使ってファンと交流するなど、次々と新しい試みを行っている。YouTubeへの参入も、すべて「やってみようの精神」で取り組んでいるとし、「それがサッカーに活きてくれればいいなと思ってやっている」と語る。時流に身を任せている部分がありつつも、選手一人ひとりの活動はサッカー界の価値向上につながると感じているという。
「時代の流れと言いますか、サッカー選手がサッカーだけをやっていればいいというような風潮ではなくなってきていますよね。でも、より身近にサッカー選手を感じてもらえれば、Jリーグの価値も上がると思います。現状で言えば、世間的にサッカー選手の価値や存在意義はそこまで大きくはないと思っています。でも、より地域に根づいたり、社会に与える影響が大きくなれば、もっとサッカー界も良くなるし、ひいてはJリーグやサッカー選手の環境が良くなることにつながると思っています。
それでなくても自分の人生を見た時に、サッカー選手でない人生のほうが長いので、少しでも今後の人生に活きてくるものがあればいいなとも思っています。もちろんカズ(三浦知良)さんみたいにサッカー選手としての人生のほうが長いとなれば一番いいとは思いますけど、それは本当に一握り……というか一人しかいないので(笑)。サッカー選手を終えてからはもちろん、サッカー選手としての自分のためにもなるようなことができればいいのかなと考えています」
SNSの定着はサッカー選手にとってもファンやサポーターとの距離感がぐっと縮まるきっかけになったと言えるだろう。
とはいえ、それもメリットばかりではない。応援の声が届きやすくなっている一方で、社会問題でもある誹謗中傷や差別の温床となる危険性もはらんでいる。そういった懸念があるなかで、六反は選手のSNSに取り組む姿勢がファンやサポーターとの関係を変化させられると実感したという。