「彼らが上回っていた」 浦和新監督が認めた完敗、“本気のプレス”に屈した教訓は?

浦和のリカルド・ロドリゲス監督【写真提供:ⒸURAWA REDS】
浦和のリカルド・ロドリゲス監督【写真提供:ⒸURAWA REDS】

GK西川は「つなぐだけじゃないところも見せないといけない」と課題を指摘

 浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督は、14日のリーグ第4節・横浜F・マリノス戦で0-3の敗戦を喫すると、「本当に彼らが上回っていた」と完敗を認めた。

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 浦和は前節の横浜FC戦で、ロドリゲス監督の就任から公式戦初勝利を挙げた。ここ数年の戦術から大きくリニューアルし、最終ラインからマイボールを大切にする戦術に舵を切った。一方で、相手ボールになれば即時奪回を目指すプレッシングを行うこともコンセプトにある。そうした意味では、細かい方法論に違いはあるものの、アンジェ・ポステコグルー監督が率いて4年目を迎える横浜FMと似た方向性を目指すチームになっていると言えるだろう。

 しかしながら、このゲームでは完全に一日の長を見せられる形になった。相手のプレスに対してはパススピードが上がらず、近い距離の味方に弱いボールを預けようとしては厳しい状況に追い込まれた。また、前線に長身のFW杉本健勇を起用したものの、割り切って預けるボールも少なく自陣に敵味方が入り込んでしまう状況に陥り、前半だけで2失点となった。

 指揮官が「中盤の真ん中での支配を高めるためには裏への動きで相手を下げさせること、ボールの動かし方を速くして突破すること、両方を組み合わせないと難しい。どちらも改善点として取り組むべきこと」と話せば、ビルドアップに参加するGK西川周作も「味方との距離感。もっと良いポジションで、より楽な体勢でボールをもらう体の向きは伸ばせる。つなぐだけじゃないところも見せないといけない。ゴールを奪うためにいかに有効な攻撃ができるかになる」と、課題を口にした。

 ポゼッションを重視する戦術に取り組むチームが当たりやすい壁に、今の浦和はぶつかっているとも言える。横浜FMの攻撃では、FW前田大然やFW仲川輝人といった選手たちに最終ラインを下げさせられ、空いた中盤のスペースでFWマルコス・ジュニオールにボールを受けられる場面も目立った。そうした状況を作り出すことこそ、ロドリゲス監督の話す「両方を組み合わせること」になるのだろう。

 ロドリゲス監督は「0-3で負けてこういう話をするのもおかしいが、成長はあるし、やっていきたいことも何回か出せた」とも話す。チームの成熟度の違いと言ってしまえばそれまでだが、そのスピードをどれだけ加速できるかは今季の順位にも大きく影響するだろう。

 そうした意味では、この“本気のプレス”に屈した経験をどれだけプラスに変えられるかが、この完敗から学ぶべきことだと言えそうだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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