クリスタル・パレスFWザハ、“膝つき”拒否の理由を説明 「習慣の一部になってる」

クリスタル・パレスでプレーするFWウィルフレッド・ザハ【写真:Getty Images】
クリスタル・パレスでプレーするFWウィルフレッド・ザハ【写真:Getty Images】

ホジソン監督らはザハの決断を支持「自ら行動を起こした」

 イングランド1部プレミアリーグでは、黒人への差別撤廃を訴える「ブラック・ライヴズ・マター」運動へ賛同するものとして、キックオフ前に選手がピッチに膝をつく姿がお馴染みとなっている。そうしたなかで、クリスタル・パレスのコートジボワール代表FWウィルフレッド・ザハは現地時間13日に行われたプレミアリーグ第28節ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(WBA)戦において、同リーグで初めてこの膝つきを拒否した選手となった。その理由を声明で明かしている。

 ブラック・ライヴズ・マター運動は、昨年5月にアメリカで起きたジョージ・フロイドさん死亡事件をきっかけに世界中で知られるところとなった。黒人選手が多くプレーするプレミアリーグでも新型コロナウイルスによる中断の再開後から、人種差別反対の意思表示としてキックオフ直前に選手が膝をつくポーズをとるようになっていた。

 しかし、ザハはこのアクションがすでに大きな意味を持つものではなくなったと感じていたという。WBA戦(1-0)で他の選手がピッチにひざまずくなかで、ザハは直立不動のままキックオフの瞬間を迎えた。SNSを通じて声明を出し、人種差別への抗議が形だけのものにならないようにと警鐘を鳴らしている。

「キックオフ時に立つという決断は2週間ほど前から公になっていました。この決断に正解も不正解もありませんが、私としては膝をつくことが試合前のルーティンの一部になってしまっていると感じます。立っているのか膝をついているのかに関係なく、今も暴言を受けている人たちがいます。

 プレミアリーグをはじめとした関係機関では、変化を起こすために舞台裏で多くのことが行われていると知っています。私はそれを尊重し、それに関わる人すべてに敬意を持っています。また、私は膝つきを続けるチームメートや他のクラブの選手に対しても敬意を表します」

 クリスタル・パレスのロイ・ホジソン監督は「声明を読んだが、非常に明瞭な内容で、我々みんなも同意できるものだと思った」とザハの決断を支持している。

「私たちは膝をつくことでメッセージを伝えようとしているが、それがちょっとした儀式のようなものになっていると考えているのはウィルフだけではない。彼は自ら選んでこのような行動を起こした。残念ながら、今でも起きている虐待は人種差別についてどれだけ強く反対しているかを示すために声明を発表した。我々はそれを支持する。彼がほかの選手にそのことを伝えた。そのうえでほかの選手たちも膝をつき続けることを決めたが、ザハがもう一歩先に進みたいと考えていることも十分に尊重している」

 指揮官だけでなく、チームメートもザハのアクションを尊重しているという。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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