田中陽子、人生観を変えた震災の経験 “今の自分”を作った福島への思い【#これから私は】
アスリートの田中だからこそ、できることの一つが「サッカー教室」
迎えた震災から10年という節目、自分は何ができるのか――。「アスリートだからこそできることはあると思いますけど、どう形にしていくかを含めて正直なかなか難しいです」と胸中を明かすが、「ただ、何もしない選択肢はないです」と田中は決意を語る。
「今こうして生きてサッカーをさせてもらっているので、良い影響を与えられる人間になりたいし、それがきっと今後につながっていくと強く思います。アスリートだからこそ、私だからこそできること――。ただ何かをするのではなく、行動を起こして、ちゃんと自分の足で被災地へ行って、目で見て触れるのが大事。今までお世話になっていた先生、友人と学校に行って、サッカー教室とかしたいです。コロナ禍の状況が落ち着いていたら、今年はぜひ福島に行きたいと思います」
“今の自分”を作ってくれた第2の故郷のために――。その思いが、今日も田中を突き動かす。
※取材はビデオ会議アプリ「Zoom」を使用して実施
[PROFILE]
田中陽子(たなか・ようこ)/1993年7月30日生まれ、山口県出身。JFAアカデミー―INAC神戸レオネッサ―ノジマステラ神奈川相模原―スポルティング・ウエルバ(スペイン)。日本女子代表通算4試合・0得点。2012年、“ヤングなでしこ”が一世を風靡したU-20ワールドカップで6得点の活躍を見せ、日本の銅メダル獲得に貢献。両足ともに精度の高いキックを誇り、ゲームメークやラストパスだけでなく、ミドルシュートも得意とする。
(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)