ドイツレポーターの「寿司の国」発言が波紋拡大 伊メディアも反応「人種差別の嵐」

ハノーファーの日本代表DF室屋成【写真:Getty Images】
ハノーファーの日本代表DF室屋成【写真:Getty Images】

ハノーファー戦を担当したダールマン氏が室屋のプレーに向けた発言に批判が殺到

 衛星放送「スカイ・スポーツ」ドイツ版の現地レポーターを務めるヨルク・ダールマン氏が、現地時間6日に行われたブンデスリーガ2部第24節アウエ対ハノーファーの一戦で、ハノーファーの日本代表DF室屋成に対して放った「寿司の国」発言が人種差別的であるとして、物議を醸している。カルチョの国であるイタリアでも「人種差別の嵐」と報じている。

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 この試合に先発した室屋は、1-1で迎えた試合終了間際に得点のチャンスを迎えるが、生かすことができなかった。現地レポーターを務めるダールマン氏は、「これが決まっていれば、彼のハノーファーでの初ゴールになるはずでした。彼は自身の最後のゴールを寿司の国で決めています」と発言。これに対して「人種差別は容認できない」「がさつすぎる」「スカイは彼をなんとかしろ」といった批判がSNS上で起こり、問題になっていた。

 ダールマン氏は自身のインスタグラムで、今回の件について「普通であれば、こんな馬鹿げたことに答えるつもりはない。私が日本のことを寿司の国と見なせば、それは人種差別になるのか? そんなことはあり得ないだろう?」と投稿し、自身の発言は人種差別にはあたらないと主張。また、この件についてドイツ紙「ビルト」から取材を受けたハノーファーの関係者も、「ダールマン氏の発言は面白くもおかしくもなかったが、だからと言って彼を人種差別的な思想の持ち主と決めつけることや、それに類似する行動は間違いだ」として、この件に関して行き過ぎた批判があることに懸念を示した。

 イタリアのサッカー情報サイト「Il Posticipo」は、「コメンテーターをめぐる人種差別の嵐」と見出しを打ち、「スカイ・スポーツのジャーナリスト、ヨルク・ダールマンは、疑わしいジョークを多くの論争を巻き起こし、人種差別として非難を受けた」とレポートしている。

「サッカーのコメンテーターはたしかに魅力的な職業だ。試合を伝えることで報酬を得るのは特権だが、いくつか欠点もある。観る者・聴く者が多くなれば、リスクは高くなる。選手の名前や結果を忘れるだけでなく、イディオムや比較の落とし穴に注意を払う必要がある。誰かの怒りを買う可能性があるからだ。イタリアでは、1970年のワールドカップでの(ジャーナリストの)ニコロ・カロシオによるラインズマンへの人種差別的な侮辱をめぐる論争は語り継がれている」

 思わぬ騒動により注目を浴びることになった室屋だが、本人はプレーに集中することにフォーカスしているだろう。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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