「僕の人生の大きな転機」 仙台、熊本の被災地を訪れた横浜FC六反勇治の変化【#あれから私は】

“第二の故郷”熊本の被災「仙台での経験があったからこそすぐに行動」

 そうした仙台での経験は2016年の熊本地震で生かされることになった。高校時代を過ごした縁ある地で起きた災害の直後、六反はすぐに行動を起こしていた。

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「仙台で被災地の状況を目の当たりにしていたこともあって、熊本の時は地震から1カ月後に当時ガンバ大阪に所属していた丹羽大輝選手らと一緒に『丹羽芝プロジェクト』の一環で熊本の幼稚園を訪問しました。被害は仙台ほどでなかったとはいえ、家が倒壊したところもありますし、余震も続いて、子どもたちは不安を感じていました。そんな子どもたちの様子を見ている親御さんたちも辛い思いをされていたと思います。一つの保育園しか行けなかったですが、仙台での経験があったからこそ、すぐに行動に移せた。経験が自分の中で生きた一つの事例だったんじゃないかなと思います」

 六反はこうした支援活動を通じて、自分の存在が誰かに力を与えられることを実感した。そして、同時にそこで出会った人から自分も力をもらっていることに気がついたという。

「サッカー選手に限らず、こうした支援活動はいろいろなところで行われていましたけど、それまでは自分が行くという考え方は正直持っていませんでした。でも、仙台に移籍したことがそういった活動を行う一つのきっかけになって、今の自分の考え方や行動にも繋がってきています。

 熊本で訪問した保育園で会った子どもたちやその保護者の方は、今でもSNSや手紙でメッセージをくれて、それは僕の力になっています。僕はたった1回行っただけでしたけど、そこで出会った人たちが何年経っても覚えていてくれるというのはものすごくありがたいことだなと感じています」

 六反はツイッターやインスタグラムだけでなく、自身でYouTubeチャンネルを開設するなど積極的な発信を行っている。こうした活動に力を入れる大きなきっかけの一つにもなったのが仙台での被災地訪問だ。ここが六反にとってキャリアの大きなターニングポイントとなっていたようだ。

[PROFILE]
六反勇治(ろくたん・ゆうじ)
1987年4月10日生まれ。鹿児島県出身。熊本国府高校卒業後、2006年にアビスパ福岡に加入し、同クラブでJデビュー。横浜F・マリノスを経て、2015年にベガルタ仙台へ完全移籍。同年、日本代表に初招集された。2017年に清水エスパルスへ移籍。今年横浜FCへ完全移籍し、プロ16年目のシーズンを迎える。
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(石川 遼 / Ryo Ishikawa)



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