「ハラキリ」「無限の闇」「本物の大惨事」機能不全で最下位ベローナに負けたミランに伊メディアが断罪

枯渇するタレント 本物は17歳の守護神のみ

 しかし、その条件を満たすためにこのチームには大きすぎるリスクが内包されているとした。その原因として、旺盛な現場介入と偏愛するトップ下システムを押し付けるシルビオ・ベルルスコーニ会長によるシニシャ・ミハイロビッチ監督の解任と、下部組織からクリスティアン・ブロッキ監督を昇格させた人事を強く批判している。

「残り6試合でのミハイロビッチ解任の決定は、1日を経過するごとに不可解なものであると証明されている。ブロッキには優れたサッカーのアイデアがあるかもしれないが、わずか40日でミランを素晴らしいチームに復活させるなど夢物語だ。セルビア人指揮官は、多くの問題があるにもかかわらずピッチ上にバランスをもたらした。今の状況は、はるかに不安定だ。チーム構造の不備も精神的なもろさも、ピッチの上に明確なサインとして表れているのがベローナ戦で実証されている」

 特集のタイトルに「ハラキリ」とつけられているように、今の状態はミラン自体が招いたものだと強く批判している。前節にはエースFWカルロス・バッカが、交代に怒りをあらわにして試合中にもかかわらず帰宅。その後に謝罪をしたが、チームが空中分解寸前にある印象を強くした。このベローナ戦でも、独りよがりのプレーが目立つチームには組織性や補完性は見られない。本田やMFユライ・クツカが必死に前線の選手たちをサポートしても、FWバッカやFWジェレミー・メネズは自分がやりたいようにプレーしてチャンスを潰し、守備時には歩いて傍観する始末だ。

 解任時点で5戦未勝利だったとはいえ、4-4-2システムを導入して一定以上の水準までチームを導いたミハイロビッチ前監督の手腕が、解任後のチームの惨状により、かえって高まる皮肉な状況になっている。凋落著しい名門は、シーズン終盤に未来につながるような姿を見せることはできるのだろうか。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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