天国から地獄に 強烈ミドルで先制点演出のミラン本田は終了間際に痛恨ハンド 最下位相手に1−2で逆転負け
先発初起用のブロッキ新監督へのアピールは失敗か
だが、ミランに落とし穴が待っていた。相手コーナーキックの場面で、ヘディングでつながれたところでDFアレッシオ・ロマニョーリの手にボールが当たってハンドの判定。ベローナにPKが与えられた。ロマニョーリは相手に押されてバランスを崩した結果、手が伸びてしまっただけに、厳しい判定となった。これをFWパッツィーニがゴール右に決めた。後半27分に試合は1-1と振り出しに戻った。
同点に追いつかれたミランは、同33分にMFマウリを下げ、FWルイス・アドリアーノを投入した。システムを4-2-1-3にシストし、前線の破壊力を増そうとする手に出た。しかし、ブロッキ新監督の賭けは裏目に出た。ベローナボールになった場面では、前線に歩いて見ているだけの選手が3人いる状態も生み出し、中盤から最終ラインへの負担が増えて危険な場面も作られた。
GKドンナルンマのファインセーブで凌いでいたが、アディショナルタイム4分のラストプレーとなった場面で、本田が痛恨のミスを犯す。ベローナ左サイドからのクロスを手に当ててしまいハンドの反則。ペナルティーエリアすぐ外の左サイド寄りで与えたフリーキックで、ベローナMFルカ・シリガルディに左足で蹴り込まれて痛恨の失点。直後にタイムアップの笛が鳴り、ミランは1-2で逆転負けを喫した。ブロッキ新監督就任後、3試合目で初黒星を喫した。
今節で引き分け以下に終われば降格決定の可能性があった最下位ベローナを相手に、今季4勝目をプレゼントする体たらくとなったミランは、ブロッキ監督就任後3試合目で初黒星を喫した。3月13日に同じスタディオ・マルカントニオ・ベンテゴーディで行われた敵地キエーボ戦以来6試合ぶりのスタメンフル出場となった本田だが、先制点の起点になりながらも敗戦の引き金となるハンドを犯す痛恨のゲームになってしまった。格下相手に天国から地獄へ 本田のブロッキ新監督へのアピールは微妙なものとなった。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images