湘南がコロナ禍で“地域貢献” サッカーの枠を超えて「#こんなときこそたのしめてるか」
【コロナ禍のホームタウン活動】湘南ベルマーレ編:昨年のコロナ禍で話題をさらった「さきめし」誕生秘話
2020年、新型コロナウイルス感染拡大の影響はJリーグの試合開催だけでなく、Jリーグクラブが行うさまざまな活動にも及んだ。そのなかの一つにホームタウン活動がある。Jリーグから発表された「Jリーグホームタウン活動調査」によれば、2019年に活動回数が1位に輝いたのは2535回の湘南ベルマーレだった。
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平塚市、鎌倉市、箱根町など9市11町にまたがりホームタウン活動を行う湘南にとって、コロナ禍はどんな影響を与えたのだろうか。ホームタウン活動について「地域の方々が健康になったり、心が豊かになったり、住んでいて良かったと思っている方々を増やすことが目的で、そういう場に立ち会えるとやっていて良かったなと思います」と語る、プロモーションユニット担当の渋谷剛さんに話を聞いた。
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最初の緊急事態宣言下の昨年4月、Jリーグでエアフードパーク『さきめし』が話題となった。これはWebサービス『ごちめし』の機能を使い、先に食事代を支払って緊急事態宣言が明けた後から店舗で食事をしてもらおうという試みで、ホームゲーム開催時には地産地消をウリにするフードパークに多くのファンを集める湘南ベルマーレが企画したものだ。
「フードパークに出店している方々は店舗を持たずにキッチンカーだけで生計を立てている方がほとんどなんですが、コミュニケーションを取ることで他のイベントも中止になっているという状況を知りました。クラブとして何かできないかと模索するなかで、各店舗には特定のお客さんがついていることが分かったんです。そこでJリーグの中断期間であっても、多少なりとも収入が入るように協力してもらおうという発想で『さきめし』をスタートさせました」
Jリーグのホームタウン活動は地域に出て行う活動が多くを占める。「サッカーやスポーツを通して豊かな生活を送ってほしい」という目的で活動しており、小学校の体育の時間にアカデミーコーチが出向いて行う「小学校体育巡回授業」や地域のイベントにマスコットなどが参加する活動も、その一つだ。2020年も例年通り、様々な活動が予定されていた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響でJリーグが中断。7月上旬にJ1リーグは再開されたものの、ホームタウン活動はシーズンを通してコロナ禍での活動を強いられることになった。
「昨年、あんな1年が来るとは誰も想像していませんでしたが、起こってしまった。巡回授業も緊急事態宣言中は活動できませんでしたし、緊急事態宣言が明けても感染対策の観点から見送る学校もありました。また、地域での活動もイベント自体が中止となってしまったので、ホームタウン活動自体は減りましたね」