横浜FM、“可変型システム”採用も不発 J1王者・川崎との差を痛感した“完敗”開幕
スタメン抜擢のルーキーMF樺山やGKオビなど“個の伸びしろ”も…
現時点での完成度の高さがそのまま結果として表れた。ベースは変わらなくてもシステムを含めて新たなチャレンジを模索している横浜FMは、“これからのチーム”か。そして長いシーズンを戦っていくうえで成長や進化は不可欠だ。あくまでも現在地を確認した末の完敗であり、高卒ルーキーで開幕スタメンに抜擢されたMF樺山諒乃介やプロ2年目のGKオビ・パウエル・オビンナら、個の伸びしろを感じ取れたことも収穫である。
対して、王者は変わらず王者だった。元々の技術力にタイトルを獲得したことによる自信が加わり、さらに安定感が増した。今季も優勝争いをリードしていく可能性が高い本命候補だろう。横浜FMとしては追いかけるべき背中を再認識させられた格好だ。
その両者が次に対峙するのは、12月4日のリーグ最終節。9カ月余りの月日が何をもたらしていくのか、とても興味深い。
藤井雅彦
ふじい・まさひこ/1983年生まれ、神奈川県出身。日本ジャーナリスト専門学校在学中からボランティア形式でサッカー業界に携わり、卒業後にフリーランスとして活動開始。サッカー専門新聞『EL GOLAZO』創刊号から寄稿し、ドイツW杯取材を経て2006年から横浜F・マリノス担当に。12年からはウェブマガジン『ザ・ヨコハマ・エクスプレス』(https://www.targma.jp/yokohama-ex/)の責任編集として密着取材を続けている。著書に『横浜F・マリノス 変革のトリコロール秘史』、構成に『中村俊輔式 サッカー観戦術』『サッカー・J2論/松井大輔』『ゴールへの道は自分自身で切り拓くものだ/山瀬功治』(発行はすべてワニブックス)がある。